読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Smart Node

Building a connected, biological, and distributed Publishing

【旅行記】若いってすばらしい(1)@中国昆明など

f:id:taxi-yoshida:20150407152827j:plain

 旅で同行した中国人の若者たちによれば、家を買うのが難しいことや若者の賃金がかなり安いこと、さらに物価が上がっていることから中国を離れる若者が増えていると言います。世界中に華僑ネットワークがあるため、外国語を使えなくともなんとかなるそうです。中国と比較して物価が安い東南アジアが目的地になり、特に華僑が多いタイが一番好まれるようです。

 上が昆明の中心の金馬門の写真(先月18日撮影)です。下がラオスルアンパバーンから昆明まで行くバスです。走行時間24時間、ラオスの道はダカールラリーも真っ青の凸凹具合で体が浮いて眠れません。崖を真横に進む道とかスリル満点。

 乗客はぼく以外中国人で、ぼくは中国人に見えるようで、中国人として扱われていたので、そのまま中国人のふりをしていたんですが、国境通過時に迷子になりバレました。

 

f:id:taxi-yoshida:20150407153105j:plain

 そこからは若者グループに入れてもらい飯を食ったりなんだり仲良くやりました。ただたくさん撮った集合写真は、ぼくがFacebookアカウントしかないので手に入らず。中国政府のインターネットブロックにやられました。

 そのグループの中心人物の風来坊的な中国人Aくん(25)は英語を一言も話さないにもかかわわらず、英中翻訳アプリで欧米人たちに食い込んでいくので驚きました。彼は内陸部、ラオス近くの昆明を拠点に周辺の風光明媚な場所を訪れまくって、のんびりしています。

 昆明は日本の地方都市となんら変わりません。ここには外国人が求めるファシリティが揃っているので、上海、北京とは比べ物にならないほど安い滞在費で中国語を学んで、将来は中国で職を得ようという欧米人がまあまあいます。そこでいろいろと会話して気づいたのは、ドイツをのぞいた欧州の人はおおむね自分のクニの将来に悲観的と言っていいことでした。

*イタリア30代「EU存続は金持ちの陰謀」

 30代のイタリア人男性はこう話す。「通貨ユーロのせいで、イタリアの通貨の安さという競争力が削がれ、主要な輸出産業である衣料品で、中国に完全に負けることになった。労働市場では若者の待遇は差別的な状況に陥っており、高学歴者ですら正規雇用にありつけない有様だ。若者は給与をもらっても生活費ですべて消えてしまうので、バカンスなんてできようがない状況だ。労働市場は高賃金をもらう高年齢層に牛耳られている。なぜEUから抜けられないのか。陰謀があるんじゃないか。ヨーロッパにまたがる金持ち、エリートたちだけがEUの恩恵を受けていて、普通の人たちは貧乏になった」。
 
 彼が希望を感じるのは五つ星運動(MoVimento=http://www.movimento5stelle.it/)という新政党です。若者が多くを占める中間・低所得者層からの支持が厚い政党です。以下wikiより抜粋します。
 
 「環境主義、及び環境主義と反資本主義的な傾向を関連させる形でダウンシフト(スローライフ)的な反物質主義・非競争社会の形成なども主張している。更に新しい社会の中心としてインターネットを高く評価しており、デジタルデモクラシーに基いて立候補者をネットを通じて選ぶなどの選挙戦術を展開した」

 スローライフはかなり影響力の強い思想・実践で、忙しい日々に価値を見いだせない若者の支持が厚いように思います。ヒッピーのコミューンとかすでに伏線があり、2007、8年以降の世界金融危機以降、欧州での民衆運動、米国でのオキュパイ・ウォールストリート運動などと連動して力を増したかもしれません。物質的にかなり恵まれた世代は物質をひとつの要素として考えるのでしょうか。
 
 ぼくはこの政党の考えはいいなと思います。日本のくすぶっているリベラル派はマルクスと「私って弱者なの思考」(本当の弱者は弱者と主張してもちろんいい)をすてて「エコロジー+テクノロジー」で何かをつくってみればいいんじゃないでしょうか。批判だけしているのはラクですが、向こうに進めない困ったちゃんになります。

スローライフの現実と非現実のはざま

このスローライフなどの価値観を発展させるにはいくつかの課題があると思います。
 
1)自然と一緒に暮らそうとして、たくさんの人が広大な区域に散らばり電気・ガス・水道の供給を受けたり、都市やモールなどへのアクセスに自動車をヘビーユーズすると、むしろエネルギー消費を助長しエコじゃなくなるかも

2) 社会全体がスローになれわけではない。社会のなかにせかせかと働くセクターは常に必要になりそうだ。またぼくらの活動を機会化、オートメーション化していくことに成功しないといけない

3)物質的な豊かさは、ZARAとかユニクロとかマクドナルドとかグローバル企業からもたらされている。これらがグローバルに調達・生産したものを安価で提供することで、少ない収入でも消費生活を楽しめる面はある。非資本主義的プロセスでの生産物は逆に高くなりやすいので、貧乏人は買いづらい

 なんで、資本主義はいい面もあり、競争は豊かさを生むファクターとして機能しているので、もっとやわらかいスローライフが良いんだと思います。政治担当ジャーナリストだった身として思うのは、人々の考えが政治の場に出てくると、常に明確に敵を想定しており、敵/味方ワールドの中でこねくり回されることになるのが残念です。もちろん、何かを実現することは、常に敵を生むことになるというのは分かりますが、何かをつくり実際に変化を起こすことが大事なんです。

 長くなったので次ぎに続きます。