デジタルエコノミー研究所

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モザンビークのモバイルバンキングは作りかけからよりゼロからイチの方が簡単だと教えてくれる

デスクトップで記事を書いている途中で、停電が起きた。記事はほとんど完成していたが、不運にもデータは残っていなかった。私は最初、失った内容を復元することにかけた。しかし、記憶は意外にうまく集まってこない。私は方向転換し、ゼロから記事を再構築した。すると、失ったものよりも格段に質の高いものができた。クソっと思っていたのは感情の方で、思考の方は一度できたものをほどいたおかげで、新しい挑戦をすることができた、と気づいた。

何か新しいものつくるときは、既存のものがないほうがいいことがある。一度頭のなかにマインドセットをもつと、それを解きほぐすのが難しくなる。このときは停電がそれを教えてくれた。だから、何回もつくっては、壊してを繰り返していく方が得てして、素晴らしい解に到達することになるのだ。

ひとつの考え方にとらわれて抜けられなくなると、進歩は止まる。進歩が止まると、その固定化した考えをもつことを人にも求め、自分が世界から置いていかれないようにする。これは自己利益の最大化を目指す合理的な個人としてはなかなかいい策だ。しかし、コミュニティという視点で考えると、自分自身の考えの枠組みを定期的にバラす機会を常に設けておき、また周囲のそのような挑戦を支援することが大事だ。そうすると、コミュニティは活性化し、新陳代謝が良くなっていく。それは回り回ってその人の社会的地位が高まっていく。

これはインターネットの仕組みに酔いしれた人が好む社会のあり方かもしれないが、内田樹は伝統的な場所にもそれがあったとしている。もとをただすならレヴィ・ストロースだ。一部の人々はこういう考え方が好きだ。

さて、話を戻そう。何が言いたいかと言うと、何か新しいものを作るときに既存のものがないほうがいい場合が多いということだ。

https://finolab.jp/interview/africa-mozambique-mobilebank-nbf/

この記事によると、日本のベンチャーモザンビークの自給自足が成り立っている農村社会に、モバイルバンキングをつくろうとしている。現金よりも彼らのニーズにかないそうらしい。モバイルバンキングから貨幣の体験を始める人がいるということだ。

この先行例にはケニアのM-PESAがある。M-PESAはアフリカのものすごいロールモデルになる。それから中国のアリペイ、Wechatのモバイル決済は富裕国の先例から突き抜けている。やっぱり、ゼロイチの方が早い時代なのだろうか。それにやっぱり世界はぜんぜんひとつじゃないみたいだ。そう考えるととてもわくわくする。