デジタルエコノミー研究所

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【DIGIDAY記事解説】マーケティング業界がサイエンスやるなら今でしょ

Googleは先月、Google Attribution 360をリリースした。これはもうGoogleは「私たちは自分たちのデジタル広告だけじゃなくて、デジタル全般もテレビも評価できます。購買データもあります。ROASの「推定」だって今までより突き詰められます。貢献度分析から最適な予算配分をやれます。だって、私たちが一番たくさん世の中のデータを集めているんですから」と言う感じです。

Digital & TV Attribution Capabilities - Google Attribution 360 – Google

DIGIDAY USのYuyu Chen記者は代理店や代理店系のベンダー、独立系などを取材して、その反発の大きさを明らかにしています。

このソリューションが出てくるまでの経緯はこの通り。

  1. WPPが共通識別子トラッキングを作るといいはじめた。WPPはそれでテレビとデジタルの指標をつくろうとしているっぽかった
  2. Facebookが人ベース測定を広告主に開放した。WPPの目論見を防ぐことが目的だったのだろう。アトリビューション分析ができるという話で、そのツールを使うと、テレビなどのROASが新しい基準に載る

  3. GoogleFacebookと同じことをはじめた

サイエンスをやるのは今でしょ

細かい説明は省くとして、マーケティング業界は長い間サイエンスをサボってきたと思います。世界1位のWPPはプラスチック屋から身を立てたマーティン・ソレル氏、世界3位のピュブリシスのモーリス氏と、彼らが高齢で長期間CEOに在職している状況をみると、この業界は余り変化の風を浴びなかった。彼らはM&Aが上手で競争を避けることができてきたのだと思います。遊びの少ないファクトやデータに根ざすものを嫌ってきたかもしれません。

マーケティング業界ではサイエンスに根ざさない意思決定を山ほど見ることができます。キャンペーンの評価方法には目をむくほどマズいものがあると思います。これは代理店だけではなく、クライアントサイドにもたくさん問題がありました。

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テックジャイアントが大規模サービスでユーザーを囲い込み、そこから収穫されるデータを独占して、こういう形でマーケティングにサイエンスを突きつけているということだと思います。それ自体はいいような気もしますが、勝者がどれだけ残るのだろうかと考えると少し難しい気持ちにもなりますが。