デジタルエコノミー研究所

”経済紙のNetflix”を作っている起業家の日記

ビットコインマイナーの深い闇: デジタル経済Newsletter_7/12

日曜日から月曜日にかけて暗号通貨が暴落しました。引き金と見られているのは日本人投機家が投げ売ったことです。

https://twitter.com/ETHxCC/status/884588903180640256

取引額の最上位をビットフライヤーが占めてたようです。同社が昨年から広告を打って集めてきた、FXや株から流れてきたり、投機の初心者だったりする層が投げ売ったのでは、と推測されます。

主要なコインのファンダメンタルズはあまり動いていません。土日にかけて、Adam BackやYoursのRyanなどの間でスケーラビリティ問題をめぐる議論がTwitterで交わされていましたが、特に際立った進展を感じ取れませんでした。

Litecoin創設者のCharlieらは、BitcoinのMemory Pool(ブロックチェーンに格納される前のtxを貯めておくプール)が満杯だとされていたが、実際には誰かがスパムtxを仕込んでいるのではないかと暗に指摘しました。指摘時にはMemory Poolは空っぽで再び安い手数料とスピーディな取引を楽しめる状態でしたが、その後怪しい感じで再び溢れんばかりになりました。

https://twitter.com/SatoshiLite/status/884011944708931588

満杯状態で得をするのは、その見返りに高額の手数料を請求でき、ブロックサイズの拡大でより自身の立場を強化できるマイニングプールでしょう。マイニングプールは一枚岩ではないのですが、この件には何らかの協定があったと推測されます。

これらを踏まえますと、Segwit 2xはとても政治的な落としどころなのですが、短期的なビジョンに拘泥しています。Bitcoinをスケールさせた後から様々な収益ソースを拡大した方が長期的利益に適うのは傍観者からわかるのですが、利害関係者になるやいなや冷静な判断を下せなません。

これを踏まえると合理的な投機家はBitcoinを売って、有望そうなアルトコインを買うでしょう。したがって今回の暴落は極めて不合理行動が起きたと推測されます。情報が偏在していることに加えて、興味のないことに脳の回路を遮断する「バカの壁」効果が組み合わさり、不確実性の塊のような市場になっているのでしょう。とても興味深いです。

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