デジタルエコノミー研究所

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おじさんが「藤井聡太量産型」を攻略する方法:天才に投資しよう

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藤井聡太四段に関して考えるのは、コンピューティングの力を借りることで、これまで人間が培ってきた知識体系の一部が否定されたり、参照する必要がなくなってしまったりすることが、将棋の世界で起きていることです。藤井聡太四段の強さの要因はその類まれなる才能とともに将棋ソフトウェアの力により、バイアスレスな将棋知性を育んでいることが挙げられます。

藤井聡太四段の29連勝と将棋界の憂慮 | 元奨励会員アユムの将棋研究ブログ

彼らから吸収すべき要素というのはもう殆ど無いのかもしれない。正直な話ソフトで間に合ってしまっているのかもしれない。でなければ、現時点であんな勝ち方ができる訳がない。(中略)今後『突出した才能を持った者がソフトを使って効率よく研究すれば、あっさり将棋界のトップに立ててしまう』

藤井四段が将棋ソフトを研究に取り入れたのは1年程度前、三段のころと言われています。そこからメキメキと強くなったそうです。だから若い時期から藤井四段のトレーニング方法を採用すると、強いヤツがゴロゴロ生まれてくるでしょう。

今後はあらゆるカテゴリーで「藤井聡太量産型」が出現するはずです。もちろんあなたの前にも現れます。

もし両親が賢しきものならば、子どもには大人のポジショントークを無視するように強く言い聞かせ(いい大人の言葉は吸収するようにさせましょう)、大人にとって都合のいいプログラミングをされないように心がけて、コンピューティングパワーへのフルアクセスを与えることで、子どもは力強いサイボーグになっていくはずです。そうすると、私たちの世代、それ以上のミドル、シニア世代が苦しんださまざまな「罠」をすり抜けて、若い才能が爆発するはずです。

藤井聡太にはモンテッソーリ教育がされています。Google創業者の2人にもモンテッソーリ教育がされています。2人は英王宮のディナーに招かれたときにプティングにかけるシロップを飲み干して、同席したマリッサー・メイヤーがプディングにかけるものだと2人に言うと、2人はこう答えたといいます。

「誰がそんなことを決めたんだ?」

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先入観をもたないことがコンピューティングの力を借りたトレーニングに最適だと思います。ゼロから考えてみる。失敗しまくってみる。そのプロセスをコンピュータとともに高速化する。素晴らしい学習効率、新しいポイントオブビューの創造を達成するのではないでしょうか。

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壊れた文系教育の権威

私は政治経済学部政治学科の卒業で、卒業した後に経済学のほうが物事を分析するのに役に立つことがわかり、必死で勉強したことを思い出します。政治学もコンセンサス形成方法を考えたり、人間のイヤな性質を押さえ込む仕組みを設計するのに有用ですが、インセンティブについて考え、マーケットデザインを考えることには依然として大きな価値があります。

文系の学習は暗記でしかありません。暗記した内容は検索出てくるというのはよく言う話です。私はインドネシア時代に文系エリートサラリーマン・官僚をみる機会がありましたが、「封建社会」以外の何も感じませんでした。文系教育とは「優れた工場労働者」を生み出すためのものでしかないのに、それを施された人間が既得権益にふんぞり返って偉そうなクチをきいているのには悲しさを感じます。

儒教文化の罠にはまる日本

日本型、東アジア型の儒教文化的な教育の落とし穴は、年長者の誤りを年少者が律儀に引き継いでしまうことです。この年少者の従順さを利用して、毒まんじゅうを仕込む年長者がたくさんいて、社会が停滞している、というのがいまの日本です。採用する解法、それを選ぶ思想、組織・マーケットの設計あらゆるものが時代に置いて行かれています。

なぜ日本社会が課題を解けないまま30年をロスした(「失われた30年」)のは、こういうバックグラウンドが大きいのではないでしょうか。そしていま、そういう難しいミドル・シニア層が1000万〜2000万人以上の規模でいて、あらゆるイノベーションの芽を詰んでいるわけですし、若年層もどうしようもないくらい保守的な人が多数派です。この国は鎖国しているんでしょう。

しかし、コンピュータの力にアクセスし、何事も疑ったり、質問をする癖をつけた世代が台頭してくると、ミドル・シニア世代の「毒まんじゅう」は効かなくなります。世界は藤井聡太量産型で満たされていく。

では私を含めた非藤井聡太世代がすべきことはなんでしょうか。それはガンダムニュータイプみたいな新しい才能からばんばん天才をつくり、その子に投資することではないでしょうか。天才のおかげで私たちはどんどん幸せになっていきます。