デジタルエコノミー研究所

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ICOだけじゃない、メルチャリ、Airbnbもトークン化できる

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今日メルカリがシェアサイクル「mercari」をリリースしました。中国で人気の出ている業態です。先日のライブ動画「メルカリチャンネル」と同様中国のトレンドを素早く取り入れる姿勢が見て取れます。中国ではサイクルシェア事業に各社累計で2016年には200万台以上の自転車が投入されましたが、2017年の投入台数は3000万台に達すると予測されています。

最近のICO騒動で感じるのはICOトークン活用のひとつに過ぎないとこうことが周知されるべきではないか。むしろ、こういうメルチャリのようなシェアリングエコノミー領域でこそトークンは面白いのではないかということです。それこそ、自転車のようなものの利用権をトークンにしてマーケットプレイスで売買することがあらゆるジャンルに拡大すれば、ユーザーは余計な所有に悩まされず、生活を豊かにできると思います。現行のmercariはメルカリが自転車の提供と同様、運営・管理を行います。仮にこれを参加者が自転車を出し合い、トークンで取引するとよりシンプルなサービスになると思います。

シェアサイクル各社は協定を結び、マナーが悪い顧客に関する情報を共有しています。ひとつのシェアサイクル企業のサービスでマナー違反を行えば、他企業のサービスも利用できなくなります。アリババはコマースや金融取引履歴・ネット行動履歴、公共料金の支払履歴、デモグラフィック、社会的人脈などから、その人の「信頼」を独自にスコアリングしています。この「芝麻信用」のようなものがサイクルシェアにも導入されています。「芝麻信用」はアリババが出資する損害保険企業の査定に直結します。

上記のケースでは個人のIDを巨大企業に委ねている形になります。あなたはFacebook認証を利用することがあると思いますが、あなたがあなたであることを証明するのを、Facebookにお願いしていることになります。個人のデジタルIDをブロックチェーン上で管理し、それにまつわる信用・評判情報が紐付けられていて、誰にも管理できないようになればいいのに、というふうに考える人は少なくありません(私もそうです)。

今度は、Airbnbトークナイズしたモデルを想定しましょう。貸出可能な宿泊をトークンに記載します。それをマーケットプレイスに入れて売買することができます。宿泊提供者と宿泊者の信頼を示すスコアが提示されていて、トークンの購入が簡単になりますし、「どのトークンに対してどれくらいの値をつければいいのか」というノウハウも発達します。トークンという簡易な形で、インターネット上のどこでも取引できるようにするお陰で情報の偏在性がある程度解消するのではないでしょうか。誰もが安全にトークンを発行し、それがアタックをうけないことを確実にできるのならば、Airbnbという「中央」の必要性が薄れていく可能性があります。

しかし、実際にはAirbnbの宿泊にはときにトラブルが発生します。自転車の利用頻度が高ければ修理の必要性が生じます。これらの状況に対応するために中央は必要です。非中央集権は素晴らしいアプローチですが目的ではありません。

誰もがトークンを発行できる

トークン化するものは最初は純粋にデジタルなものを選ぶべきでしょう。電力のトークン化取引が検討されているが、実際には、電気を配電網の中でうまい形でやり取りできる極めて高度なスマートグリッドが必要になります。

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今後はIoTが進展していくはずです。あらゆるモノがコネクティビティを獲得します。もののステータスをデジタルに管理できるため、その利用状況をもとに利用権をトークンの形に買えることが可能です。仮に行儀の悪いユーザーが自転車にダメージを与えて、それを隠し通そうとしても、センサーから自転車の状況が変化したことがわかり、それがその人のクレジットスコアを傷つけてしまいます。

Eterereum上のサービス・ビジネス開発を進めるConsensysブロックチェーントークンドリブンの未来を実現できると主張しています。

  1. セキュリティとコストの両面でトークン発行の障壁をなくす
  2. グローバルで自由なトークンの取引を許容する
  3. 透明性の確保されたグローバル台帳に基づいて、トークンが活用される。以前はすべてのトークンはそれぞれ個々の所有するサイロの中に閉じ込められていた。なめらかにグローバルスケールでトークンを交換することで、より効率性を増すことや新しい形体の協力を可能にします

結論

政府や独占的大企業などトークンを発行できる主体が特権を握ってきたのがこれまでの社会のあり方ですが、今後はトークン発行を誰でもできるようになります。ブログがジャーナリストとブロガーの垣根をなくしたように、トークンは投資家と個人投資家の垣根や、政府と国民の垣根をなくすのではないでしょうか。トークンの発行を代行するビジネスが最近盛り上がっていますが、トークンの秘密鍵は自分自身で管理するべきでしょう。この部分の教育が進むとトークンの真価が世の中にもたらされると思います。

参照