大学時代のバンドの楽曲をまとめました。
大学生時代に組んだバンドの音楽をサウンドクラウドと Myspace にまとめた。Myspace の音楽もサウンドクラウドに移したかったが 元のファイルは 亡くなっており無理だった。ユニットと曲の紹介をしようと思う。
Alcoholic Vivi 2006~2010
活動内容
- 2006年、吉田(Ba)、予備校の友人Usuda(Gt & Vocal)、中学の同級生Kanai(Dr)の大学生3人で結成。新宿歌舞伎町のライブハウスで練習中、ライブハウスMotionの店長から話がかかり、ライブデビュー。パンク・オルタナティブロックで活動。月3〜4回ライブと頻繁に活動したが、チケットノルマのせいで困窮する。
- 2006年のKanaiの脱退から、ドラマーの数回のチェンジを経て、2007.4に最終的にドラムマシンを採用。吉田とUsudaの二人体制に。次第に宅録主体のElectoronicに音楽性を変えた。2010年に吉田がインドネシア渡航以降、活動休止。
- ドラムマシン採用したころの音源がAudio Leafに残っていた。サービス停止しないことを祈るが、消えてもいいかも。初期のModern City Nightがある。
- バンド名をAlcoholicにしたことをいいことに、当初はかなり酔っ払ってステージに上がっていた。リズム隊が泥酔していて、どうしようもなかった。
- 2006年、大学の友人が集まり新宿JAMに100人集まった。そこがピークでその後は客が少なすぎて新宿JAMのおっさんにキレられ、モメる。
- ライブハウス:新宿JAM、吉祥寺Warp、新宿Motion、三軒茶屋Heaven's Doorなど多数
- 当時作成したホームページは崩壊。作りかけの曲が勝手にかかる。
- 友人のデザイン専門学校生が作ったデモの表紙
Songs
2007. Modern city night
2006年に最初にできて、やっといいの作れた曲。最初はMTR録音だったが、ableton live 7で再録した。UsudaはKorgのデジタルシンセを使い始めた。
2008. Sunday Dreaming
2008年、もうちょっとポップでエレクトロっぽくしたいということでできた。
2008. White Penguin
2005年結成当初からある曲。ableton live 7環境になってかなり音が厚くなった。
2010 夢見がちなヒッピー
Takushi YoshidaがつくったAmbient調の曲をさらに2人でギタギタに編曲。バンド結成当時からあった曲をはめ込むこんだら出来栄えは意外に良かった。
大学入学したのが2005年4月、バンド結成が2006年とそれまで与太っていたことを思い出した。大学時代はまあまあ与太っていた時期があり、それがなくて1つに集中していたら大きな成果を出せたなーと思った。
正月にableton live 9のことを調べてとても買いたくなった 今は休みが週に2日あるので 二塚の休みを生かしてやるのもいいと思った。無駄なことに時間を使うなら、音楽ができた方がいい。
インドネシアから帰ってきた時、実家の部屋 に置かれていた ベースを ハードオフに 二束三文で売ってしまった。 なんてもったいないことをしてしまったんだろう。
芸術=起業
大学時代は 村上隆の「芸術起業論」にはまり、 芸術をやることはつまり起業するということだ と考えていた。
バンドをやることは単なる自己実現ではなくマネジメントだと思っていた。 大変なことも多かったが 何人かで一つのことにチャレンジすると、一人では出せない大きな成果を出せる。僕は大学時代に一度起業したと考えている。
評判をうまく活かすためウェブサイトをつくっている。
最近レピテーションシステム(評判システム)についてちらほら書いてきた。
自分がこの仕組みの中でどう評価されるか考えてみた。インドネシアから帰国した際はこの点に関してとても無知だった(大変なことになった)。今はウェブサイトを作り自分の やってきたことをわかりやすくまとめようとしている。そうすればいろんな人が僕について 簡単に理解ができる。
かなりたくさんのことに取り組んできたので これを言葉で同時に説明するとなんかとても怪しい人のように思われる。それを分かりやすい形にすれば、レピュテーションシステムをうまく行かせると思う。
年末いろんなところに飲み会に行ったが 、業界の外の人に自分を説明する難しさに気づいた。自分は日本の企業社会の大外に暮らしており、彼らの価値観から遠く離れている。 彼らのロジックは簡単に外の人をやばい人扱いできる。彼らはセールスフォース、アドビの時価総額が三菱商事のそれを上回っていることを知らないのだ。昨今の出来事を見ていると、それも今年ぶっ壊れる気がするけど。
あとは自分のやってきたことを整理して、自分のとるべきアクションを再度明確化したいと思った。
資本主義社会をエンジョイする方法は株式会社を作ることだ。 仲間と資本を集め自分がやっていることをスケールする。これらを集めるためにも自分を説明できることと自分がやろうとしていることを説明できることが大事だと思った。
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労働集約性からメディア産業を解放する
記事をたくさん書くのは大変だ。このいわゆるメディア広告業界の仕事の労働集約性はちょっとしんどい。この仕事は現状、スケーラビリティ(拡張性)が脆弱だ。組織によって異なるのは重々承知だが、以下のような問題点を認めている。
- タスクのオーバーラップ
- 過剰な業務の細分化
- 業務プロセスの多重階層化
- 目標設定なきデスマーチ
日本の農業と類似点がある。それは狭い農地 に対して多くの労働力を注ぎ込んで、とても高価な商品を作っていることだ。 昨今のバイラルメディアやまとめサイトにおける最悪の労働環境はこの高い労働集約性に対して人件費を絞り上げるというブラックな手法によって対応したことで生まれた。クリエイティブな業界のはずだが、こういうオペレーションに関してクリエイティビティは認められないケースが多いはずだ。
これはトラディショナルメディア にも共通する。テレビの制作会社は常に自転車操業であり 、「局員」と比べ明らかに少ない給料で過酷な長時間労働をしている。
いい労働集約性 vs 悪い労働集約性
もちろん、いい労働集約性と悪い労働集約性がある。クリエイティビティは人同士のごちゃごちゃから生まれる側面もあるだろう。ビルを建てるのと、面白いものをつくるのは異なる。第一案が死んで、第二案が死んで、第三案でうまくいく、というのはある。クリエイティビティという正体不明なものに切り込む方法を確立しようと頑張ってきた。ただ過剰になりすぎたのは否めない。
悪い労働集約性に関しては早いうちに手を切りたい。メディア業界は情報産業で、定式化した仕事は機械がやるようになるだろう。でも人は人がつくったクリエイティブに感動する傾向が強いので、完全なテイクオーバーにはならない。機械で強化されたクリエイターがより高度なメタ情報を扱うようになったり、レコード、カセットテープのように伝統芸能的に残ったりするはずだ。
ここで注目したいのはクリエイティブはその成果において大きな差が出ることだ。 素晴らしいクリエイティビティを増幅し、その与えられる影響を拡大できたらいい。
レーティングor Auther Rankの導入
スケーラビリティとは別に、評価の仕組みを確立することも大事だ。一つ一つの仕事に競争と付加価値を付けていくべきだ。
ジャーナリスト/媒体ブランドにレーティングを与えるのはいかがだろうか。レーティングはできるだけ客観的な基準で構成員をジャッジしてあげようということや、暴れん坊に柔らかい制裁を与えられる。とんでもない仕事をするとガクッとレーティングが落ちて難しくなるからしっかりとした仕事が必要になる。
レイティング、レーティング (rating) は、対象となる物事に対して、ある基準に基づき、等級分けや数値化をおこなったものである。語源の rate には、見積もる・評価するという意味がある。(Wikipedia)
ぼくは男子テニスのATPランキングにはずっと親しんできた。ATPは年末にファイナルがあって、その大会の後のポイントで年間ランキングが確定する。
これを真似て年末、今年のジャーナリストアワードみたいなのをやったらいい。「今年活躍したのは誰々です」と。競争とともに、いい仕事した人には確かな報酬を渡す。日本のメディア業界にはいい仕事に報いるというシステムが確立していない。現場で少ない賃金で働いていたりする。
GoogleのAuther RankやAmazonのRaputation Systemなど、評判を基にスコアリングする仕組みはネットにはかなり前からあった。しかし、偽ニュースやグレーな医療情報、コピペ記事がGoogleを欺いたし、Amazonはこの前怪しげなレビューを一斉処分しなくちゃならなかった。だけど、いずれいいものができるはずだ。ジャーナリストのレーティングは爆発するインターネット上の情報のランク付けに比べれば簡単だろう。
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2016年反省会、来年はコンピュータと友達になる
実家で紅白を見ていてとても退屈なので、2016年をまとめてみたい。
1.インタビューかなりたくさんやった
アメリカ人多かった。テクニカルな内容もまあまあ英語で行けるようになったが、もっといけるようになりたいし、もっとディスカッション色を強くして、Podcastでみんなに広めたい。
2.注目を集める記事を書き、業界の変化に貢献した
コンサル、SaaSベンダー、広告会社のマーケティング業界のオーバーラップとGoogle、Facebookによるデジタル広告のデュオポリーはかなり注目を浴びたテーマ。いい情報流通に貢献した。
3.広範な分野をカバー
デジタルマーケティング、Fintech、ブロックチェーン/Bitcoin、ニュースパブリッシング、AI、とかなんとか。かなり勉強不足なので、頑張ってキャッチアップしたい。
4.DIGIDAYパブリッシングサミット成功
DIGIDAYブランドを定着させることの大きな要因になったイベントの成功に貢献できたはず。2017年2月に第二回があるので、いい会になればいいと思う。
5.ふくらはぎを負傷
フットサルの大会でふくらはぎを蹴られ、強烈な筋損傷を起こした。完治に一カ月がかかり、運動不足になるやらハロウィンでバテるやら大変だ。ワイルドな老若男女の標的になりやすいので、常に厳しい注意を払おう。
6.台湾とタイ、ラスベガスに行った
以前はインドネシア生活だったので、近くの国に頻繁に行けたが、2016年は旅行は控えめだった。2017年は再びアグレッシブになりたい。
2017年の目標
- 英語で専門的なディスカッションができるようにする。もちろん優れたアイデア付き
- コンピュータについてもっともっと詳しくなる
- コンピュータとパブリッシングのより濃密な融合、メディアという労働集約型産業のイノベーション
- たくさんのスマートに会い、教えてもらい自分の力を引き上げる
- 行動力、決断力をもち、シャイにならない
- 財務の知識を増やす
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世界は情報でできている、だから書き換えられる
帰りの電車で電車の中を眺めていた。とても興味深い。電車のなかから見えるのは物質だ。情報を意味する記号はあるが、すべて物理的なものだ。
だけどぼくたちの社会では情報が大事だ。ルイヴィトンのバッグを買うとき、買うのは記号だ。ルイヴィトンが与えてくれるベネフィットは他のバッグと比べて大して違わない。恐ろしいことにルイヴィトンを所有しているという事実に、価値が見出されている。
バブルのまっ最中、記号の消費はピークを迎えた。そして「欲しいものが欲しいわ」(糸井重里)となった。でも、私たちの消費する情報の殆どは生存には関わらないどうでもいいこと、なのは確かだ。
情報で生まれた価値の代表例は、お金だ。お金はほとんど情報だけでできている。もし仮にぼくが宇宙人で、世界中の人々から、お金に関する記憶・迷信を消す魔法が使えるとするなら、魔法が唱えられた瞬間にお金は紙くずか、コンピュータに記録された数字になってしまう。
政府の多くの部分も情報でできているだろう。政府という妄想を消す魔法を唱えれるなら、政府はたくさんの人間の詰まった箱になる。
多様性と自由にこだわっていたい
ぼくはテレビ、新聞、ニュースサイトのゴシップ記事というメインストリームの情報をほとんど摂取していない。そこで流通している情報が想定する人間には「多様性」がない気がするからだ。テレビ番組や新聞記事をつくっている人々の世界観はあまり複雑じゃない。だからそこで使われている価値尺度の過度なシンプルさが余りにも理解できない。あれは水槽のなかの熱帯魚をつくろうとするものだ。
最近、クイズ番組をみて、おかしいと思った。なぜこの国では四角の中に言葉を入れることをもてはやしているんだろう。検索したら出てくるし、クイズ問題作成だって検索を使っているだろう。
あれだと課題解決能力は身につかない。失われた20年の間、エリート層は余り課題を解決できなかった。いまも20年前に起きた変化の実相をうまくつかめないでいる。そろそろ、失われた30年になる。
言いたいことは、簡単。情報が大事な時代になった。情報でできたものは、書き換えられる。 情報はとても 相対的 であり ダイナミック である。情報が情報として認識されるのは 人間が存在することがとても大きな要因になっている。ぼくたちは、ぼくたちのためにならない情報を書き換えることができる。だから積極的に書き換えていこう。それだけ。
WELQのくそハックはコンテンツ流通に季節の変わり目が来たしるし
WELQの件はコンピュータが意味的(セマンティック)な部分を理解できるか、という部分が問われている気がします。現状はそのコンテンツが正しいかどうかを読めない。Googleは騙されました。
少し前にGoogle翻訳のニューラルネットワークが、英日、英韓の相互翻訳をマスターしたら、ひとりでに日韓の相互翻訳もできるようになり、もしかして、セマンティックな部分まで理解し始めたんかいな、と話題になりました。
だから、意味の理解が進むとGoogleが「この記事クソだな」と「考えて」、マズいものの検索結果を下方に落とすことができるかもしれません。もしかしたら、悪い記事が排除され、いい記事だけに出会えるようになるかもしれません。
何を持って良いとするか
しかし、ここで問題があります。記事の質の評価をどう下せばいいのでしょうか。世界には多様な考えがあり、どれが一番優れているかを判別する方法はありません。多様性と確実性がトレードオフなっています。
ちょっとSFじみてますが、数十年後にすごい機械知能が現れて、いまの司法が担っている役割をテイクオーバーできたらいいかもしれません。エヴァンゲリオンに出てくるマギコンピュータみたいな感じでしょうか。コンテンツディストリビューション専用のそれがあって、情報爆発の面倒を見て、いい情報に会いやすくする。Embed Intelligenceやパーソナルアシスタントがそういう役割を担うことになるかもしれません。
情報は偏在している
ただし、現状の機械知能は「考える」という部分に達していないことに留意したいです。人間が設定した課題、問に対して答えを出す存在でして、不確実性が増えると効果的ではなくなります。
社会がWELQが悪質だと判断できたのは「肩こりが霊の仕業」というような異常値を優れたライターたちが検知したところが発端です。そこから、コピペなどの著作権の問題や富岡製糸場のような製作体制などのインモラル性が分かってきて、これは問題だ、となっています。いわゆる倫理を持って、WELQに厳しいジャッジを下したわけです。
これはGoogleが手を下さない部分です。人間社会では情報は驚くほど偏在しています。隠されたり、埋もれたりしているそれを見つけるのは、伝統的かつ効果的な情報産業の手法だと思います。週刊文春です。
それでも、少しずつ、機械知能がセマンティックな部分を理解するときに備えないといけません。機械知能が情報を拾い出して、組み合わせてわれわれに提供するときはそんな遠くありません。
機械はメディア産業のマニュアルレイバーの一部を自動化できます。そこで働く人の能力を拡張できます。人によっては成果を数倍、数十倍に拡張できます。
これはメディア人の仕事を高度化させていくことになります。情報の収集だったり選定の部分を機械化し、その上でメタの情報を生み出すことにニーズが生じると思います。やっぱりぼくたちも機械知能を操れないといけない。
昔の記事だけどいわゆるキュレーションの悪用ってこれのウラツキ仕様か。。。
— GOROman (@GOROman) 2016年12月28日
Google「被リンクからオーサーランクに移行する」SEO業者全滅か!? @netgeek_0915さんから https://t.co/XZk8J3uskv
Googleは評判に基づくオーサーランクを導入し、被リンクを外すと2014年に言っていたようです。その方針が貫かれていたとしたら、今回のは抜け穴を作られたと言うことでしょう。
インターネットはロングテールを許容します。それは古い世界では起き得ないことで画期的です。ただし、概してロングテールは玉石混交の度合いが大きいです。今回のWELQは石の部分が玉を完全に圧倒した例だと思います。いわゆる「悪貨が良貨」を駆逐するということです。
くそハックから新しいハックを
しかし、WELQのGoogleくそハックはかなり学ぶことが多いです。WELQのような労働集約性とクリエイティビティのない記事製作方法がメインストリームをとっていたら、人々はどんどん賢くなくなっていくと思います。なぜ、こういう記事が人気を集めるに至ったのかは、いわゆる鶏と卵です。でも、メディアと教育を現代化できれば、現状の問題は解決できるのではないかと思うのです。
先の記事で、オーサーランクはレピュテーションに基づいてつくられると説明されています。大きすぎず小さすぎないニッチな空間では、レピュテーションはワークすると信じています。現状のシステムをいい方向にハックすればいいだけです。生まれるものは、たぶんもうメディアと呼ぶべきものではないだろうなと思いますが。
新しいコンテンツ流通に沿う新しいメーカーが生まれる季節が来たかもしれません。
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キャズムを越えるためにもっとハイプしよう
Hype energy drink / via Wikkimedia commons
Recodeのこの記事は、偽ニュースならぬ偽テックがあると主張している。謎に満ちたVR/ARスタートアップのMagic Leapは14億ドルを調達しているが、The Informationによると「オーバーマーケティング」だと言う話であり、どうやらニュージランドの特殊映像企業がデモを作成していて、本当はプロダクト製作は思わしくないといううわさがある。
記事は過剰なレベルのハイプに注意を促していて、ごもっともだ。ただ日本はもっとハイプした方がいいと思う。
米国のハイプ・サイクル(Hype Cycle)は以下のような形(だと言われている)。
Hype cycle(via Gartner/Wikkimediacommons)
何らかのプロダクト/領域に対し期待が注がれ、やがてそれが山と谷を超えて、普通のレベルに達する。ハイプがあるから皆がそこに殺到し、いわゆる「キャズム」を越えることができる。
日本の場合、レイトマジョリティが本当に巨大な多数派を形成しており、ハイプされないので、なかなかキャズムを越えない。日本でされるハイプの一部には、例のソフトバンクのARM買収での「垂直統合型」報道とかみたいに妙だなーと思うものが多い。
日本の社会から、以下の二つをどうにかして緩和したい。
- リスク回避傾向
- 他人の失敗を全員であげつらう傾向
で、ハイプはある程度、この傾向に挑戦できると思う。ハイプしたり高い目標を掲げたりすることで、ゆったりとしたレイトマジョリティを動かせると思う。「お前ハイプに乗っかっただろ」とパブリッシャーも責められるけど、そもそもこの世の中に正しいと証明されている情報は(たぶん)ない。
あまりに権威に従うようにプログラムされすぎているから、誤報とか偏向報道とかいう言葉を肴に一杯やれるわけだ。
情報は流動性とダイナミズムそのものだ。ハイプにはいい部分もある。
宝探しのためにアメとムチに鈍感になろう
Carrot And Stick Incentives Lead Manage | Free to use under … | Flickr
ポール・グラハムの『ハッカーと画家』をバラバラっと読んでいる。
私の知り合いには学校時代にオタク(nerd)だった人がたくさんいるが、皆同じ話をする。賢いこととオタクであることの間には極めて強い相関があり、オタクであることと人気者であることの間にはもっと強い負の相関があるというものだ。賢いとむしろ不人気者になるみたいなんだ。
これで、ふと8月に合コンに参加したことを思い出した。今後、人生で「合コン」とパッケージされたものには行かないだろうが、合コンに参加することにはまあまあ学びがあって、そのうちの1つが、この負の相関性に関することだ。
その合コンはフォーマルな業界で働く女性とされた。このブログのポストを観てもらえばわかるが、私はフォーマルな業界で働く女性たちのニーズに全くかなっていない。この合コンとは関係なく、何度となく、まあまあ「やばいやつ」と認定されたことがあり、それ以降はあんま入り組んだ話はしないようにしている。
相手は自分と同じお年頃の人で、結婚を真剣に考えている(ぼくは同じ年頃の女性が結婚を真剣に考えているという『常識』すら知らなかった-ヤバイ)。彼女たちは結婚相手の条件をつくっていて、男たちがそれに合致しているかを測っているようだった。
男は常に女性にモテたいと思っているので、合コンを繰り返していくと、モテるために、女性のつくる条件に対して自分なりの最適化を試みるだろう。心理学の「強化」のプロセスを経ることになる。
心理学用語において強化とは条件づけの学習の際に、刺激と反応を結びつける手段または、それによって結びつきが強まる働きの事である。広義には報酬、罰などの強化子の事もさす。
向かう方向が正しければ、強化は相当いいプロセスだ。自分に与えられる刺激(報酬or罰)に従っていれば、どんどん研鑽を積み、実力をつけていくことだろう。
ただし、アメとムチが良い目標に対して設定されていないとマズいことになる。殺人に報酬が与えられたら、殺人鬼が育ってしまう感じになる。
大きな目標を立てて、それを実現したいと思うなら、小さな報酬にこだわる必要はない。 たとえそれが短期的にとても美味しい果実のように見えても。 どんなに 厳しい状況 例えば 砂漠やジャングルや宇宙空間を横切るようなことも 自分が 実現したいことのためなら 厭わない。
必ずしも合コンでモテる必要はない。恋愛は考えようによっては「35億人から1人を見つければいいゲーム」だから。
(参考)
不完全情報ゲームに強いヤツは天才芸術家だ
Via Dacian Dorca / Creative Commons
人工知能が完全情報ゲームで人間を凌駕している。この分野では人間が盛り返せることはないが、最強の棋士リ・セドルが試合後に「柔軟性」や「新しいアイデア」を得られたと語っている。将棋ソフトと対戦した屋敷伸之九段も気風が変わったことで知られる。
将棋の研究会でも、積みがあるかないかはソフトに調べさせるらしい。
ただし、ぼくらが生きているこの世界は超不完全情報ゲームだ。ぼくはこの世界は不完全情報ゲームの塊だと思っている。そういう世界でうまくやる方法をまとめてみた。
1) モデル化
現実世界のできごとをモデル化することで、比較的有効な手段を講じることができると思う。含まれる不確実性の量が少なかったり、複雑性が少なければ、モデルは役に立つだろう。
特にリスクマネジメントが大事だ。リスクを嗅ぎ分けるのは、たぶん、直球の脳みそだけじゃない。右脳的なものも重要だ。後はリスクの類例をたくさんもっていると、不確実性をリスクに変えることができる。これらを直感的に速い判断でやり遂げたい。基本的にはプラスをもたらすたくさんのことをしていて、谷底に落ちなければ、プラスが積み上がっていく
2) ロバストネス=強靭であること
でも世界は実際には不確実性でみちみちている。ミステリアスな出来事や恐怖に対して、混乱すれば一発アウトだ。常に最低限のパフォーマンスをキープしたい。
不確実性への対処力は大きな差をつける。
3)「見える」=想像力
不完全な部分をすごく上手に推測する技術があるといい。これはたくさんの情報を染み込ませていると、見えてくるみたい感じ。それこそ将棋の「手が見える」という感じ。
だけど、これはあるポイントから想像力の領域に入るだろう。つまり、それは現実とはまったく異なる世界を思い描いているけど、それが現実世界で有効に働いたりする、ということだ。
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[結論]やっぱ芸術でしょ
1)、2)を良くするだけで現実世界でかなり上手く戦える。
でも、3)。これは芸術家のような才能じゃないだろうか。メッシがDF3人の動きを予測(想像)して、体の動きをコーディネーションし、玉を動かして、想定を修正しながら3人とも抜くような。そして人間が感動するのは、やっぱ3)だよな。こういうのはまだまだ機械はやれないだろうし。
−−参考
人工知能とゲームの幸せな関係:三宅陽一郎氏講演の感想
via SquareEnix
先々週、MIT Technology Reviewの日本版創刊イベントで、三宅陽一郎氏の講演を聞いた。三宅氏は人工知能研究をした後、スクウェアエニックスに入社、「FINAL FANTASY XV (ファイナルファンタジー15)」のAIに携わった。ゲーム内でのAI実装の権威で、本を何冊も書いている。
三宅氏の話を聞いていると、ゲームがやりたくなってきた。聴きながら感じた感想を3点にまとめる。
1.生物は知覚する世界をすべてだと思い込む
すべての動物はそれぞれに種特有の知覚世界をもって生きており、その主体として行動しているという考え。ユクスキュルによれば、普遍的な時間や空間(Umgebung、「環境」)も、動物主体にとってはそれぞれ独自の時間・空間として知覚されている。
それをゲームの中でシミュレートしているわけだ。三宅氏はFF XVにはメタAI、キャラクターAI、ナビゲーションAIの3つのAIを活用していると語っている。
ゲーム内のキャラクターは確かに「生物は知覚する世界をすべてだと思い込」んでいる。DeepMindのCEOデモス・ハサビス氏が携わった「テーマパーク」にもそういう来場客が出て来る。同じところを行ったり来たり…。
Via Download Theme Park | Abandonia
[感想]シミュレーションゲームはこういうプレイヤーを多数作って、ゲームが設定した条件の中で動くようにすることで、世界を表現している。小中高生のときに「信長の野望」に夢中になったが、これらも数十の大名たちが領土を拡大するために、「戦争」「外交」「裏切りの約束」「暗殺」「国家経営」「武将・参謀を鍛える」などを行う。セーブして進めると、数ターン先の結果がかなり異なる。ゲーム内プレイヤーをプログラムし、それがプレイする人間にとって不自然に感じないようにつくるのは、とても困難な作業だと思う。
2.意思決定するゲームキャラクター
ゲームキャラクターは意思決定をする。認識(Sensor)と行動(effector)の区分が存在する。意思決定には4つのアプローチがある。
- ルールベース AI(Rule-based AI)
- ステートベース AI(State-based AI)
- ビヘイビアベース AI(Behavior-based AI)
- ゴールベース AI(Goal-based AI)
[感想]ゲームキャラクターをうまく動かすだけでも相当な苦労だ。昔のRPGみたいな単純な行動を指示するのなら簡単だけど。今のキャラクターは複雑な動きを表現している。
現実世界で意思決定に迷ったとき、ビヘイビアツリーを作ってみると、まあまあそれでうまくいくこともある気がしている。将棋の読みのような感じだ。2014年のインドネシア大統領選挙の情勢分析として将棋をモデルに、ビヘイビアツリーを活用してみた。かなりワークした。ビヘイビアツリーを使うと自分の判断、予測がかなり感情やバイアスに左右されていることがわかる。
3.フレーム問題
機械は与えられた問題だけしか解決できない。
フレーム問題フレームもんだい)とは、人工知能における重要な難問の一つで、有限の情報処理能力しかないロボットには、現実に起こりうる問題全てに対処することができないことを示すものである。 1969年、ジョン・マッカーシーとパトリック・ヘイズの論文の中で述べられたのが最初で、現在では、数多くの定式化がある。
機械がもっていない、汎用的で柔軟な知性活用能力を付けていくと、オートーメーションを生かして働くことができると思った。
(参考)
新大久保の多様性を楽しもう
先々週新大久保に行った。コリアンタウンのイメージが強いけど、新大久保、百人町、大久保あたりは、うる覚えの資料だと、中華系が多数派で、その他中東からアジア、ヨーロッパの他人種が共生している。いろんな言語が聞こえる街で、みんな見た目からして異なることが、すごい楽しかった。
最近、外国人の友人二組が東京旅行をして、案内役を買って出た。彼らは東京の人はデュプリケイティッド(複製された)、と話していた。スーツを着ている人たちはみんな同じ顔をして同じ服を着ている、らしい。
生命にとって多様性はとても普通なことだ。伊藤穰一の講演で、多様性はイノベーションのインキュベーターだというお話を聞いたけど、本当にそう思う。
そろそろ東京滞在期間が1年半に達しようとしている。タイ在住の日本人から「あの吉田さんも日本人になったね」と言われた。やばい、そろそろ時期がきたみたいだ。
自分のラクな環境の中ではなく、多様性やノイズをもっと吸い込もうと思う。百人町に住むのはかなりいい選択肢に思える。いまのところいい物件はないが、いろんな人達と交流し続たいと思った。
お金と尊敬を分けてみてはどうか?
Tax Credits / CreativeCommons
ソフトやソリューション、クリエイティビティを提供する業界では、成果に大きな差がつくことが多い。成果に報酬で報いないと、誰も努力しなくなる。旧ソ連の工場やゾンビ企業のような状況に陥ってしまう。
ただし、報酬差をつけると、構成員がその仕組みに相当納得していない限り、協力を阻害する要因になりかねない。足の引っ張り合いだ。自分の成果をいい感じに見せたり、人を押しのけたり、人の手柄を奪ったり、派閥を作って戦ったり、仲間はずれをしたりとまあ楽しくないことが起きそう。
協力によりパフォーマンスを跳ね上がらせることができるのにもかかわらず。
スタートアップは設立メンバーに株式を渡す。これによりインセンティブが一致したチームを組める(はずだ)。ただし、パイがでかくなると、もっとよこせと利害関係が一致しなくなる例には事欠かない。
そこで考えた。お金の数ある機能から、尊敬・評判をアンバンドルできないかと。
お金から尊敬・評判をアンバンドルするメリット
機械により超豊かな20☓☓年を想定してみよう。生産の豊かさは、お金を単なる交換の媒介に変えることができるはずだ。そのタイミングで金から完全に尊敬を切り離して、もともと社会的に存在する評判と合算して「尊敬ポイント」にしてしまうのはどうか。尊敬ポイントをたくさんもっていると、人々はあなたに講演を依頼したり、食事をごちそうしたり、フットサルに誘ったり、BBQに呼んだりする。
尊敬ポイント導入のメリットは以下のようだ。
- 嫉妬しなくなる。人はとかく格差に敏感、というか嫉妬深かったり、これみよがしに金を使ったりする。でも、物質が溢れかえり、金と尊敬が完全に分離されるなら、金に対する執着心は馬鹿馬鹿しい
- 金が人間に対し影響力をもたない。単なる交換の媒介である。価値を貯蔵しているが、金や物品はもうあんま価値をもたなくなっている。
で、「尊敬ポイント」は、このポストで触れた評判システムに組み入れておこう。
課題はこんな感じか
- 尊敬ポイントをめぐる馬鹿馬鹿しい争いが始まる。
- 尊敬ポイントの基準はどうなるか
- 尊敬ポイント至上主義みたいな感じになり、結局、尊敬ポイントがお金のいやーな感じを引き継ぐ。高い尊敬ポイントを得そうな人をとことん邪魔したりとか。
マイクロペイメントは次世代のFacebookをつくる?
The World's First Micropayments Web Walletである「Yours」。このウォレット間で交わされるマイクロペイメントの手数料はゼロらしい。
CEOのRyanXは元Reddit暗号エンジニア。CTOはオックスフォードでPh.D取得。
このウォレットがバンドルされたコンテンツディストリビューションプラットフォーム(FacebookやTwitterのようなもの)をつくると、よりパブリッシャー(媒体社)が収益を確保しやすいものになる、という話のようだ。次世代のFacebook、YouTube、Twitter、Reddit、Mediumになるのだろうか。
上の記事で検討したようにマイクロペイメントはデジタル媒体社にとって大きなチャンスになる。技術はYoursの他にもさまざまなアプローチがある。ライトニングネットワークなどなど。
上の記事などでは、デジタル広告費におけるGoogle、Facebookのデュオポリー(2社による独占)に触れている。検索広告を除くデジタル広告費は、多数のスモールプレイヤーが製作したコンテンツで、ビッグプレイヤーが大儲けする構造だ。広告はスケールに大きく依存する。コンテンツ製作者は儲かりづらい。ただ、ここでもうけた金でGoogleやFacebookは他の分野で面白い試みを行ってもいる。何とも言えない。
パブマティックがeマーケター(eMarketer)とモルガンスタンレーのリサーチを独自に分析したところによると、Google、Facebookはデジタル広告費の46%に当たる890億ドル(約8兆9000億円)を握り、54%に当たる1060億ドル(約10兆6000億円)を残りのパブリッシャーが分け合っている。しかも、2社でデジタル広告費の伸びの85%を占めている。
マイクロペイメントでどうなる?
じゃあマイクロペイメントが実現すると、どうなるのか。勝手に想像しよう。
1. 提供者側でコンテンツをプロモーションするデマンドが高まり、プラットフォームはその広告費で儲かる。
2. 広告なし。その代わり媒体社はその販売額のほんの一部をプラットフォームに渡す。
3. 広告モデル時代とは別の消費性向がでてきそう。お金を払うなら、こういうもの。タダで読めるのとは違うという感じで
こういうプラットフォームに載る、他者を大きく差別化したコンテンツとはなんだろう? そういうコンテンツを作れる足の速いチームをどう作れるのだろうか。まだ先の話だけどワクワクする。
http://doublehash.me/yours-worlds-first-micropayments-web-wallet/
井深大の『私の履歴書』に学ぶクリエイティブなグループの作り方
週末に井深大の『私の履歴書』を読んだ。昔は日本にこういう人がいて、いまは余りいないか、いても日の目を見ないのは、つまらない気がする。でも、高度経済成長期から安定成長期まで、ソニーのような現場がとても熱かったのは事実。どんなことも試してみる。技術者がワクワクする職場をつくるための学びがあった。
1.顧客中心の観点
第12回 テープレコーダー 日夜苦心、やっと成功 手をとり合ってうれし泣き
私はこれまでいろいろな物をこしらえて商売にしてきたが、たいてい軍とか役所とか放送局のもので与えられた仕様書によって作ったものばかりだった。それで何か大衆に直結した商品をかねがねやってみたいと思っていた。大衆は製品のきびしい審判官であり、正しい評価をするものだと信じていたので、大衆商品はいちばんやりがいがあるような気がしていた。
これは現在のユーザーエクスペリエンスに通底する考え方だ。いま耳にタコができそうなほど聞かされる「顧客中心型」を当時の井深大氏は気づいていた。だからウォークマンを開発できた。
2.リスクをとる
第14回 小型ラジオ 部品屋くどいて製作 全世界へ50万台以上売る
歩どまり5%、つまり100個こしらえて及第するものが5個になったとき、ラジオの生産に踏み切った。前にも書いたように世界で2番目のトランジスターラジオの商品化はかくしてできあがったのだが、世界で2番になれるのは当然である。あたりまえの企業家だったらこんなむちゃな計画は立てるわけがない。
しかし歩どまりは必ず向上する目算があったので私は思い切って決断したのである。もしあの時、アメリカでものになってからとか、欧州の様子をみてからこれに従ってなどと考えていたとしたら日本が年間500億円の輸出をするトランジスターラジオ王国になっていたかどうかははなはだ疑わしく、したがって今日のソニーもありえなかっただろうし、この無謀ははなはだ貴重な無謀だったと考えている。
当時、新規事業で抱えるリスクは大きかった。しかし現在、技術革新はどんどんリスクを抑え、失敗のコストを減らしている。つまり「試してみないとわからない」を実践できる。すべてがコモディティ化する時代には、リスクテイクするから他社に差をつけ、独占を築くことができる。
3.技術屋だから「次」がわかる
1992年にはソフトウェアについて先見の明を見せている。当時、商用インターネットの黎明期で、その後「情報技術(IT)革命」と形容された変化が起きている。
Marc andreesenの「Software is eating the world」はこの約20年後だ。
それはどういうことかと言いますと、「デカルトがモノと心というのは二元的で両方独立するんだ」という表現をしている。これを話していたら1時間くらいかかるから、このぐらいにしておきますけど、モノと心と、あるいは人間と心というのは表裏一体である、というのが自然の姿だと思うんですよね。
それを考慮に入れることが、近代の科学のパラダイムを打ち破る、一番大きなキーだと思う。それが割に近いところで、我々がどういう商品を作ろうか、さっき話のあったカスタマーを満足させるためのモノをこしらえようか、というのは人間の心の問題だと思う。
ハードウエアからだんだんソフトウエアーズが入ってきて、だいぶ人間の「心的」なものが出てきたんですけども、まだソフトウエアーズというと、なんだか分かんないんですよね。 ソフトウエアーズの意味もいろいろありますけど。もっと単刀直入に人間の心を満足させる、そういうことではじめて科学の科学たる所以があるので、そういうことを考えていかないと21世紀には通用しなくなる、ということをひとつ覚えて頂きたいと思います。
4.物量戦ではなく、独自のことをやる
「管理屋の跋扈でソニーからヒットが消えた」ウォークマンの父、大曽根幸三が鳴らす警鐘(上)
「立ち上がれ!ソニーの中の“不良社員”」ウォークマンの父、大曽根幸三が鳴らす警鐘(下)
デジタル化の時代になって、韓国勢や中国勢、台湾勢が、その製造装置を買うことができれば、日本企業と同じ品質やスペックの製品が作れるようになってしまった。半導体は物理学の世界で、原理原則をきちんとやると、後は論理的に同じ結果が出る世界なんだ。だから同じ装置を使えば、同じ品質のものが作れる。
結局、半導体や液晶パネルは、中国勢や韓国勢に急速に追いつかれて、抜かれてしまった。こうなると技術力うんぬんではなく、いかに質の高い設備を大量に買うことができるかという投資余力の有無で勝負がつく。パワーゲームになってしまうんだ。日本勢には分が悪いよね。そういう戦い方に慣れてないから。
ソニーがトランジスタラジオで一世を風靡したのは、世界のどこを探してもトランジスタの製造装置なんてなかった時代だからだよ。ソニーは自分で独自の製造装置を作って、トランジスタラジオを作った。だから競争力のある製品だったんだ。
「次は何をしようか」が井深の口癖だったというが、常に革新的なことに挑戦するグループをつくることが重要だ。「半導体は物理学の世界で、原理原則をきちんとやると、後は論理的に同じ結果が出る世界なんだ。だから同じ装置を使えば、同じ品質のものが作れる」。
この傾向はAI、IoTなどのバズワードが示すトレンドの進展により、さまざまな分野に波及していくだろう。よく言う話だが20世紀は物理学の時代であり、21世紀は生物学の時代だ。変化を織り込んではじめて、野心的な目標は掲げられるのだろう。
履歴書の序盤、ソニー初期で、触れられているが「やってみればできる」とグループが信じていることが重要だ。どうやってワクワクする、面白いことを実現するグループをつくれるか、今後も研究していきたい。
Photo via Sony
【備忘録】生体認証は結局Googleとかが有利かな
生体認証の記事を書いたので、そのときに調べたことを備忘録として置いておき、ビジネス面の考察を添える。この分野にまったく明るくないので間違っていたら教えてください。
結局プラットフォームが有利か?
多くのユーザーを抱えるGoogleとFacebook、Amazonが有利かもしれない。現状IDで管理しているユーザーデータに生体情報を組み合わせる。デモグラだけではなく、行動データも認証に使えるかもしれないという。他のサービスに生体情報を渡さない形で、生体認証する仕組みをつくれば、彼らの勝ちの気もする。
GoogleのProject Abacusの仕組みは本当にいい。行動データを蓄積してつくったTrust scoreにより、モバイルを利用しているヤツが誰かを常に確認しておくやり方だ。APIを叩いて認証がとれるなら、他の人たちはたくさんの導入コストを負担して、固有の生体認証を開発しようとしないだろう。
Amazonもどこかで決済プラットフォームを買収してしまえば、生体認証がほしくてたまらなくなるだろう。アメリカでは実店舗とリアルな流通網を拡大しており、実店舗での決済にも生体認証はマッチする。
現状のFacebook認証では発給されたトークンをユーザー、アプリ、Facebookの三者で確認することで、認証のTrusty(信頼性)を高度化している。二要素認証(Two factor Authentication)では「そいつ」と「そいつがそいつだと主張している人物」と同一かを確認する。
<参考>
- Google plans to bring password-free logins to Android apps by year-end | TechCrunch
- FIDO Alliance » About The FIDO Allianc
- Facebook ログインで認証するまでの手順 (OAuth認証とトークン置換攻撃対策) - Qiita