デジタルエコノミー研究所

”経済紙のNetflix”を作っている起業家の日記

Twitterのシェアカウントからデジタルデトックスを経てメディアに至る考察

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Twitterがシェア数カウントを消した。各方面で不満の声もあるようだ。

digiday.jp

ネット上の情報の良し悪しの評価では、「シェア数」を基準の一つにしているところはある。たくさんシェアされている記事は、人だかりができているように思えるので、「勝ち馬に乗ってシェアしてみよう」と考え、それが雪だるまになると評価されることはある。

でも、シェアするものは、自分のプロフィールを毀損せず、自分が世の中で認められる「いい人」であることを示す、ニュースに限られるだろう。おおむね、他人から変だと思われる行動は、ソーシャル上ではとらないのではないか。 それが下に書いてある。

digiday.jp

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他にも「いいもの」をシェアしない理由は見つけられる。 「この情報を利用すれば、競争相手を出し抜ける」という情報は、シェアしないでこっそりしまい込む。

あるいは、メディア関係者、学術関係者だけでなく、世の中の多くの人が、あたかも「自分が大発見した」という感じで、見つけたものを「再発明」して提示しているだろう。

だから、シェアも何もされないけど、ひっそりとインテリジェンス化していくメディア情報はまあまあ存在するといっていいだろう。 そういう情報を正しく見極め、評価するにはどうすればいいのだろうか。

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たぶん、対面の情報交換がとても大事になる。 対面の情報交換は、マクロ的な統計的手法からは程遠い場所にある。だけど、世界は複雑で歪んでいる。インターネットは既知情報を明らかにするのに強い部分があるが、透明性を生み出せていないところも多い。しかも「悪貨は良貨を駆逐する」。

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)

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だからたくさんの人と会い、オーラルに情報を取り替えっこするのは、ときに爆発的な効果を生み出すだろう。

Meeting On The Wall, Essaouirawww.flickr.com

 

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Webニュースなどに大きな反応を得るのは「意外」であることだ。つまり「これはこうであるはずだ」というパースペクティブに対して、強力な例外や反証を見せつけることで、人はその情報を高く評価するようだ。

もともと、パースペクティブが存在することが問題だとは思うが、認知には限界がある。世界は広くて複雑で大変だけど、人間はあまりにもちっぽけだ。それは確かだ。

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実際、毎日多量の情報を浴びて、そのほとんどを忘れる生活を送っている。もう何も思い出せないんじゃないか、ってくらい、浴びている。

もっと情報を絞ることが大事だとは思うし、多分世の中の多く人がそう思っている。

デジタルデトックスのすすめ  「つながり疲れ」を感じたら読む本

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そのためには信頼できる情報ソースが必要になる。 いま若い人が楽しく読める、ちょっと真面目でセクシーなニュース情報の供給源は存在しないと思っている。新聞は、経済誌は、高齢者層を主要読者にしているから、キオスクで一面とか、表紙とか観ても、「ワオ!」とはならない。

そういうものがあればいい。いまのところ、GoogleFacebookもそれは達成していない。ごみ情報に触れてうんざりせずに済んで、時間が短縮できて、めっちゃ楽しいメディアが、あれば。