【技術書】たのしいインフラの歩き方
サーバレスアーキテクチャのSingle Page Applicationを作っているのだが、なぜかインフラの方の本を手にとってしまった。本書はドリコムのインフラエンジニアである斉藤雄介氏がスタートアップがインフラを構築し、イベントに備えて行くべきかという視点で書いているので、スタートアップやプロジェクトマネジャーをやる人にとって、必見の書だと思う。とても平易に説明してある。
金で時間は買えても、組織の文化や技術力は買えない
で、49ページの「金で時間は買えても、組織の文化や技術力は買えない」の件はとても含蓄のある言葉だと感じる。SaaSの使い方だけに習熟しているとベンダーロックインされてしまうし、OSSで鍛え上げてきたチームからは新しいものがどんどん生まれ柔軟性を持てるけど、SaaS頼みだとこのふたつをベンダーに吸着されてしまう。SierとSaaS頼みのJapanese Big Companyはここらへんが競争劣位として表出してくる場面をいつか迎えるだろうな、というか、いますでにそうか。
オフィスの構築はデータセンター構築よりも慎重に
オフィスの「脆弱性」あるあるとして、ブロードキャストストームや電源ケーブルの露出などがあげられています。インドネシア時代はこのような初歩的なトラブルがたくさん起きたのを覚えています。社内ネットワークも新聞記者の人がまあまあ適当にやっていたし、経営者が余り予算使いたがらなかったせいでハードウェアや設定上のボトルネックがたくさんあったのを思い出しました。インドネシアのカルチャーは「ダマシダマシやっていく」で、解決をみたのはオフィス移転後だったなあと。ただこの問題は現代的なオフィスやコワーキングスペースに行けば解決されるかなと。企業規模が拡大するときは素早い基盤整備が必要だと思う。インフラは丹念に育てないとボトルネックになるし、問題が問題を呼ぶことが繰り返されて疲弊する。それにクラッキングの標的になり信頼を失うことになる。
クラウドを使え
スタートアップ時期はクラウドを使うべきとのこと。説明不要だろう。NetflixがAWSの上にマイクロサービスを構築しているところからわかるとおり、相当事業拡大しても、特殊な理由がない限りはオンプレ活用は限定的になるはず。本書ではデータセンタ構築等に触れられていて、インフラエンジニアは本当にハードウェアからソフトウェアまでたくさんの知識を持たないと成り立たないみたいだ。
インフラの大規模化
ここはこの記事とほぼかぶるので割愛する。
で、仮想化(Virtualise)についてはとても気になるのでもっと掘り下げよう。
まとめ
インフラに関してはスタートアップ初期はクラウドに頼ることになるだろう。可用性が高く、事業拡大、縮小に伴うコスト面の調整もつきやすくて言うことない。けど、インフラエンジニアがいらないかというとそういうことは全然なくて、Netflixのマイクロサービスを編み出し運用し様々な手法を作り出す、あのチーム(名前忘れた)みたいなのが作れるといい。その前にサービスが成功しないとなんだけど。