デジタルエコノミー研究所

”経済紙のNetflix”を作っている起業家の日記

読書メモ 『Google誕生 —ガレージで生まれたサーチ・モンスター』

『Team GeekGoogleギークたちはいかにしてチームを作るのか』を読んで「じゃあGoogleの創業期はどうだったのか」が気になり『Google誕生 —ガレージで生まれたサーチ・モンスター』を読んでみた。Team Geek読書メモをまとめている。

Google誕生 ?ガレージで生まれたサーチ・モンスター

Google誕生 ?ガレージで生まれたサーチ・モンスター

 

最初は近所の児童図書館にあった『Googleをつくった3人の男 (時代をきりひらくIT企業と創設者たち) 』を読んでいた。児童図書館は6時閉館で追い出されてしまった。この児童書は内容が簡潔にまとまっていて、それでいて重要な情報を漏らしていない。日本語も素晴らしかった。子どもを持ったら読んでもらいたい本である (たぶんそういう日はは来ないが)。

Googleをつくった3人の男 (時代をきりひらくIT企業と創設者たち)

Googleをつくった3人の男 (時代をきりひらくIT企業と創設者たち)

 

Google誕生 』では前半は創業者2人のバックグラウンドがしっかり記述されている。後半部分は報道内容を整理した風の時系列の物語になっている。前半が面白かった。ラリーとセルゲイの二人の出会いと親交、検索システムの開発、創業の流れは理想的な創業の形だ。二人の専門や性格の相性の良さ、Googleを開発する前にも他のプロジェクトを進めた経験など、最高の成功例だと思う。

二人はスタンフォード大学のエコシステムをうまく利用している。Googleは学内のプロジェクトとして開始されており、検索開発は大量のコンピューティング資源を必要とする。二人は大学が提供したコンピュータでそれを賄うことができた(それでもそのときに倹約してハードウェアを調達、組み立てる経験がGoogleのデータセンターに生きることになる)。初期投資家のアンディ・ベクトルシャイム氏はサン マイクロシステムズ社の共同創始者で、スタンフォードの卒業生である。ベクトルシャイム氏を紹介したのは二人の担当教授だ。二人がセコイアとKPCBと交渉する頃にはGoogleはスタートアップとしては稀に見るほどの完成度に達していた。

私もここまでうまくいかないまでも、いい創業を模索していきたい。こちらにあるようにプロダクトも事業計画もあるので、あとはチームが必要なだけである。ぼくは大学にほとんど通わないで卒業したし、”学閥”じみたものには嫌悪感を抱くタイプではあるが、本書の読了後は、卒業大学のエコシステムを利用するのは全然ありなのかもしれないと思うようになった。”学閥”は日本株式会社内での地位向上を目指す互助組織だと思うし、それに属すのは性に合わない。ただテクノロジー会社を創業するために、とても快い感じでいろいろ力を借りることは全然問題ではないなと思っている。