法務、会計、コーポレート・ファイナンス、資本市場などをめぐる学習もある程度の段階に到達しました。今週で一区切りにして、これ以降は専門家の力を借りればいいと思います。最初のうちは「なんでこんなことまで学習しないといけないんだ!」という感じでしたが、途中からは「なかなか面白いじゃん」となり、「これはなんか非効率。絶対に改善できる」みたいなことも考えるようになりました。すべてのことに言えますが、実務は机上で学んだことよりもワイルドで不合理なものです。それはこれから資金調達をすればわかることです。
来週以降、進めていくことは2つあります。ひとつは投資家への売り込みを開始することです。月曜日からロードショーの仕込みを始めようと思っています。
もうひとつはチーム構築です。繰り返しますが現状は1人でコンテンツ、開発、ビジネス開発、マーケティング等をしており、あからさまに自分がボトルネックになっているのを実感しています。僕は明確な計画を完成させました。これを遂行すれば大成功というあま~い話ではなく、後々線の引き直しが求められるのが想定できますが、最初に線を引いて、シミュレーションを入らせていることが大事なのです。
「経済紙のNetflix」のプロトタイプと事業計画書。チーム構築と資金調達の最中。お茶、ランチ等は @taxiyoshida にDM。エンジニアと編集者、記者を募集。
— Yoshi 吉田拓史 (@taxiyoshida) 2019年3月9日
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エンジェル投資家
ジェイソン・カラカニスのエンジェル投資家の本が最高でした。エンジェル投資家の実務から創業者がどのような心構えで物事を進めていけばいいか、どうやって投資家と共通の利点を構築すればいいか、を推測することができました。
リターンの大半を稼ぎ出すのは、独善的な妄想にひたるわがままで付き合いにくい起業家たちが多いそうです。他の人が敬遠するような「ワイルドカード」こそ大きなリターンを生む創業者だといいます。恥ずかしいけど多分僕はそれなんです。この日本という国に生まれてはや数十年、一度も日本人的な横並びの習慣に馴染んだことがなく、平均的な人間から不思議がられ、敬遠され、ときに攻撃されてきました。海外で外国人という立場で生きていくことが心地よくて、日本人村とは一定の距離を置き続けました。
この axion のビジョンは"独善的な妄想"そのものです。
同書に出現する以下の質問にはこの本を読む前から準備ができていました。本気を出すと呆れ返るほどのロングストーリーを聞かせることができます。
▼創業者に尋ねるべき4つの質問
- あなたは今どんな仕事をしていますか?
- あなたはなぜこれをやっているのですか?
- なぜ今なのか?
- あなたの不当なまでの優位性は何か?
このエンジェル投資家と戦略的関係を築くことが重要だと考えています。
コーポレートベンチャーキャピタル
あとはスタートアップの資本政策に欠かせない存在であるCVCについても数冊本を読んでみました。中央経済社はいい出版社だなあと思いました。大企業中心社会で新陳代謝が起きない日本では、CVCはとても重要な存在になると僕は見ています(というかすでにそうかも知れません)。日本企業はたくさんのキャッシュを溜め込んではいるものの、その使いみちを持っていません。超勝手な妄想をすると、彼らはマルクス主義に傾倒する社会主義者であり、資本主義のプレイブックをもっていないのかもしれません。
CVCは彼らが苦しむ硬直化した組織の外におけるR&D、新規事業投資の重要な手段です。同時に既存事業とシナジーがあったりあるいはそれをリプレイスするビジネスへの投資手段でもあります。イノベーターのジレンマは実証経済学が実証しており、日本企業はその典型的な例であるのです。表紙の絵をしっかりみてくださいね。
このCVCと戦略的関係を築くことは近い将来とても重要になってくるはずです。
Reference

エンジェル投資家 リスクを大胆に取り巨額のリターンを得る人は何を見抜くのか
- 作者: ジェイソン・カラカニス,孫泰蔵(序文),滑川海彦、高橋信夫
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2018/07/12
- メディア: 単行本
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CVC コーポレートベンチャーキャピタル――グローバルビジネスを勝ち抜く新たな経営戦略
- 作者: アンドリュー・ロマンス,増島雅和,松本守祥
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/10/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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