デジタルエコノミー研究所

”経済紙のNetflix”を作っている起業家の日記

誰もが「1997年のAmazon」からスタートするからやり続けるだけ

 

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1997年。投資銀行での成功を全て捨てて、Jeff BezosがAmazonを始めた時のオフィス。 投資会社のSVPで高給取りだったBezosがイケてないオフィスで一人で作業をしています。何事も始めるときはこういう時期を経験するものです。私も起業してから2ヶ月程度ですが、いままさにそういう時期にあります(笑)。Axionの運営は私とパートタイムで手伝ってくれる数人によって行われていますが、基本的には1日の大半を一人で作業しながら進めています。

起業したことによって驚くのは、既存のカイシャがもつリソースの豊かさとそのリソース活用の非効率さの両面でした。イチからやってみると「なぜこんなことをやらんとあかんのや」というタスクが無数にあり、カイシャがそれを省略してくれていたことに気づきます。他方「4、5人使っていたあの仕事って、あのライブラリ使えば一人でできちゃうやん」「あの人が勝ち誇っていた功績って、南極に豪邸を建てたようなものなのやん、周りの人を騙していたのか、あきれた」ということが多々あります。

誰も掘らない穴を掘っている

一方、1人だと見通しが正しくともなかなか船が進むのが遅いのは確かで、いつもやきもきしてしまいます。タスクをホワイトボードにまとめていると、文字の塊ができてしまってやる気が削がれてきます。本当に本当に肩の凝るお仕事です。しかも私は長期的利益を評価する傾向が極めて高いので、いまは報酬を貰わずして将来に向かって仕込んでいるフェイズにあります。武田信玄土竜攻めのようにずっと穴を掘り続けていき、最後には城の中に坑道がつながる手法に似ています。一人で穴を掘るのは大変ですし、リターンを得るまでにかかる時間のうちに状況が変化するとそれでオシマイ。これはメンタルにきいてきます。

でも、ぼくはこのゼロから何かを生み出すことを楽しんでいます。何かを創ることは初めての経験ではない。大学卒業後はインドネシアでゼロから現地の政治経済社会について学び、イ情勢に関しては大学教授や大使館、商社、コンサルが私の功績を引用なしパクるレベルに達しました(それほど情報ギャップがあったと自負しています)。帰国後はDIGIDAYの立ち上げに参画し、ここもゼロから学習し、マーケティング広告にインパクトを与え、一定のポジションをとりました。技術部隊が欧米にあり、日本には営業・マーケしかいない構成の外資と、新手法の理解・採用が牛歩の内資でできているデジタルマーケティング界隈は、宝の山でした(この段落の表現はなんかイヤな感じですね)。

もちろん、DIGIDAYのときは元々アメリカで確立したブランドでしたし、会社がある程度のリソースを提供してくれたため、立ち上げはもっと容易でした。主に金、人、評判が最初は不足していると感じさせられます。

しかし、続けていけばうまくいくのは明確です。世界は相関し合う無数の変化群に晒され続けていて、それが未来を常にぐにゃぐにゃ変えています。この環境下では、既存の組織を変革するより、ゼロから新しいものを作ったほうが速いのです。

それにこれは私の精神を若くしてくれています。未だに高校出たての18歳のマインドです。そして学習し推論するモデルとしての自分が急速に成長しているのも感じます。スキルは自分で何かをやった方が断然つくのを実感しています。

ぜひ我がオフィスに遊びに来てください。

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