デジタルエコノミー研究所

”経済紙のNetflix”を作っている起業家の日記

Libra (リブラ) 2.0の所管

Libra (リブラ) 2.0については、この記事で解説した。とても長い記事で最後まで読む気はしないだろうが、ホワイトペーパーと論文を読むのが大変な方には、一番好ましい選択肢だと思うので、ぜひ読んでほしい。

www.axion.zone最初のホワイトペーパーv1.0は、世界の規制当局から非常に厳しい視線にさらされた。極めて野心的に見えた最初のアイデアと現実との折衝をとりながらも、Libraは、依然として世界通貨の一端を担う存在への道筋を残している。

Libra2.0では、Libra1.0で提案されている通貨バスケットに加えて、LibraUSDまたは≋USD、LibraEURまたは≋EUR、LibraGBPまたは≋GBP、LibraSGDまたは≋SGDのような、単一通貨を担保としたLibraコインを追加することでネットワークを拡張していくと説明している。Libraコイン(≋LBR)はこれらの単一通貨ステーブルコインのデジタル合成の位置づけだ。

リブラ協会は≋LBRがCBDCと連携し通貨のデジタル化をともに進める立場を示しているが、各国がCBDCをめぐる競争に乗り上げている今、ステーブルコインのLibraのポジションがどこにあるのかはわからない。

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Libra via Libra Association

Libraブロックチェーンは分散化され、取引を処理し、ブロックチェーンの状態を維持するために協力するバリデータの集まりで構成される。これらのバリデータ(検証者)はLibra協会のメンバーでもあり、ネットワークのガバナンスとコインを支えるリザーブの枠組みを提供する。

バリデータノードのほとんどをFacebookが握っている。BFTアルゴリズムによって高度な分散合意を行うのだが、プロトコルの重要な部分はFacebookの支配のもとにある、という理解で正しいだろう。

今回のホワイトペーパーではパーミッションレスチェーンになる選択肢の放棄が綴られていもいるため、名実ともにFacebookマネーの色彩を強めた。世界のCBDC競争に日を付けた重要な要因の一つであり、Facebookが貨幣と金融の未来に参加しようとすることには一定の利益がある。