デジタルエコノミー研究所

テックエコノミーとスタートアップの日記

スタートアップ起業家が資金調達前に種類株式のしくみを調べてみたときのメモ

起業家の僕は、資金調達に際して資本政策に関する知識を学ぼうとおもっています。調べてブログを書くことが、自分にとって好ましい学習法であり、このブログを将来の社内文書の土台にしようという目論見もあります。

このブログは完璧ではありませんが、スタートアップの起業家や参画者の方の「はじめの一歩」になるようには努力しました。あなたがここに書いてあることを実行する際は法律家等の専門家とよく話し合うことを推奨します。

種類株式の種類

種類株式にはさまざまな種類があります。会社法に照らし合わせて大別すると定めることができる内容はこの「種類株式を活用して創業メンバーの会社支配権を守る方法」(高谷 裕介弁護士)のテーブルがわかりやすいです。勝手に転載して訴訟を仕掛けられると困るので、リンク先を参照してください。会社法108条がこれらを規定しています。Wikibooks ”会社法108条”を参照、一部読みやすく改変しています。

1)剰余金の配当

2)残余財産の分配

3)株主総会において議決権を行使することができる事項

4)譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。

5)当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。

6)当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。

7)当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。

8)株主総会取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第478条第8項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの。

9)当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第9号及び第112条第1項において同じ。)又は監査役を選任すること。

これを明快に表現すると以下のようになります。

  1. 剰余金の配当
  2. 残余財産の分配
  3. 議決権制限株式
  4. 譲渡制限株式
  5. 取得請求権付株式
  6. 取得条項付株式
  7. 全部取得条項付株式
  8. 拒否権付株式(黄金株)
  9. 役員選解任権

法律家はこれらの種類株式の特性を組み合わせて、スタートアップファイナンスに適した株式を設計します。2について投資家に一定の優先規定を設けることがあります。それは後ほど”優先株”で触れようと思います。3は株主総会での議決権を制限できます。4は株主が株式を第三者へ譲渡する際に会社の承認を得る必要があり、株主の意思だけでは自由に譲渡することができない株式であり、株主が頻繁に入れ替わる状況を防ぐために利用されます。5に当たる「取得請求権付株式」とは株主が発行会社にその取得を請求する権利が付与されている株式です。スタートアップの場合、金銭に変える、普通株式に替える、この両方を定めていることが多いようです。

6の「取得条項付株式」は会社側から株主に対して、強制的に株を買い取ったり、優先株式(後述)を別の種類の株(普通株式など)に替えることができる株式です。株主の中には、今はまだ上場すべきタイミングではないとして、普通株式への転換を拒否する株主が出てくる可能性があります。上場することが確定したら、会社側から強制的に種類株式を普通株式に転換できるように設計しておけば、強制的に普通株式への転換が行えます。

7の全部取得条項付種類株式は会社が株主総会の決議によって、その全部を取得することができる株式です。M&AMBO、完全子会社化など、様々な場面で、分散した株式を集約するべく少数株主を締め出すために利用されていました。税制面でもっとも扱いやすのが採用の主たる理由ですが、会社法改正後は株式併合の方が目的に合致しているとされています。

8の拒否権付種類株式は「ベンチャーキャピタルが少数株主となりつつ、新株発行やM&Aなど一定の重要事項のみ拒否権を持つケースが典型例」と言います。これは「黄金株」と呼ばれます。黄金株の典型的な利用例は、敵対的買収です。合併・株式交換・営業譲渡などの事前に規定されたことに拒否権を発動することができます。拒否権を所与の条件としたとき、攻撃者の攻撃の誘因が減ります。詳しく知りたければこちらの『持株会社における敵対的買収防衛策の検討』(http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/graspp-old/courses/2007/50010/documents/50010-4.pdf)を読んでください。ただし、敵対的買収防衛策には「デュアル・クラス・ストック」が好ましい場合があります。これについては後で触れます。

9の役員選解任権は名前の通り役員を選任、解任する権利をもつ株式です。

優先株

いわゆる”優先株式”では、増島雅和さんのStartup Innovators『優先株式の基礎』が明快な説明と感じました。増島さんは優先株のスコープを以下の4点に定めています。

  1. 創業者のフリーライド防止(投資家の優先権確保)
  2. ストック・オプションの実効性確保
  3. 稀釈化防止(優先株式の価値の維持)
  4. ベンチャー企業のモニタリング等

多くの優先株の説明は1をなぞるものが多い印象です。2、3、4についてはとても勉強になったという印象です。3はダウンラウンドを想定したもので、普通株式ベースでの持株数を増やすことで、エグジットの際の既存投資家の取り分を保全することを目的としています。4では取締役選任権を株の要件にくっつけることで、投資家が取締役としてベンチャー企業のモニタリングを実施する枠組みです。

優先株式という名称は、投資家が最も興味のある剰余金、残余財産の分配での優先権にフォーカスしていますが、上記の種類株式のさまざまな特性をミックスしたものです。”優先株式”という言葉自体は会社法の中にはなく、おそらく投資家、法律家ごとに”優先株式”が指すスコープが異なると僕は推測しています。上記の定義も増島さんが好ましいと考える”優先株式”のかたちだと考えられます。投資家との交渉時に、投資家が優先株式の活用を好んだ場合、「おれの考える最高の優先株式」が起業家のあなたに提示されることが想定されます。優先株式はかなりスタックが深く、同時に重要性が高いので別のポストで触れます。

起業家としては、信用ベースで普通株の取引ができたほうがものごとが簡明ですし、リーガルコストも圧縮できると考えています。

付記) デュアル・クラス・ストック

デュアル・クラス・ストックは、その名前が示す通り「2つのクラスの株」を発行する仕組みです。クラスAとクラスBという2種類の株式を発行します。これら2つの株式は、金銭的価値は同じなのですが、各株の持つ議決権に差をつけているのです。有名なグーグル社の場合は、クラスAとBとで議決権に1:10の差をつけているのです。

持株比率と議決権の比率を分離することによって、株式市場からの資金調達という上場会社のメリットと、創業者や経営者が会社のコントロール権を持ち続けるという非上場のメリットとの両方の利点を享受できることになります。

攻撃者が敵対的買収を仕掛けたとしても創業者が腰を割らなければ企業支配権は攻撃者の手に渡りません。デュアル・クラス・ストックの採用は上場直前に勘案するのが自然と想定しています。

起業家がスタートアップのストックオプションを設計するときのメモ

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Via "Silicon Valley", HBO,

僕は起業家として従業員を増やそうとしています。そのときに通常の福利厚生に加えてストックオプション(SO)を設計することにしました。しかしSOの理解には掘り進めていくととても深い専門知識が必要なことがわかりました。僕は創業当初の大事な時期に何度も行ったり来たりすることになりました。学習を進めるうちにブログを書いた方が学習が簡単だと思いました。後々社内文書等を整備するときに活用しようという目論見もあります。

このブログは完璧ではありませんが、スタートアップの起業家や参画者の方の「はじめの一歩」になるようには努力しました。Webにある断片化された知識群(ポジショントーク混ざり)をパズルに組み合わせるよりは、このポストの末尾にある「参考になった書籍、記事」を読んだほうが早いと思います。ここに書いてあることを実行する際は法律家等の専門家とよく話し合うことを推奨します。

想定読者

  • スタートアップ経営者
  • スタートアップ役職員
  • このふたつのいずれかになりたい人

SOとは?

SOは「会社の株を、将来、過去に設定された価格で購入できる権利」です。行使価格と譲渡価格の差分が付与された人の利益になります。「ストックオプション税制のご案内」(経済産業省)では以下のように説明されています。

ストックオプション制度とは、会社が取締役や従業員に対して、あらかじめ定められた価額(権利行使価額)で会社の株式を取得することのできる権利を付与し、取締役や従業員は将来、株価が上昇した時点で権利行使を行い、会社の株式を取得し、売却することにより、株価上昇分の報酬が得られるという一種の報酬制度を指します。報酬額が企業の業績向上による株価の上昇と直接連動することから、権利を付与された取締役や従業員の株価に対する意識は高まり、業績向上のインセンティブとなります。

オプションとは金融派生商品の一種です。オプションという言葉は英語で選択権という意味です(和製英語だと付随するものの意味合いがありますね)。金融業界では、ある商品(為替、株式、債券)を将来の一定期日に、あるいは一定期間内に特定の価格で買う、または売ることができる権利の売買をオプション取引と呼んでいます。「ストック(株式)」の「オプション(選択権、この場合は予約権の方が正確です)」ということでストックオプションなのです。

ストックオプション制度においては、役職員の増加の都度、新たなストックオプションを発行しなければいけません。また発行したストックオプションの内容変更・消却・行使等があった際にも変更登記等の手続を行う必要があります。管理コストもかなりの負担となるため、スタートアップ・ベンチャー企業においてストックオプションの管理が不十分であるケースも少なくないようです。先輩たちが踏んだバグをめぐっては、後進はそれを検証し、二度とバグを踏まないようにしたいですね。

SOが打ち出の小槌であるかというとそうではなく、さまざまなコーナーケースがあります。それは後で触れるとしましょう。

入り口としては『起業のファイナンス 増補改訂版』ストックオプションの章がわかりやすいです。ブログで読みたい場合は、FincのSOを検討した記事の「1.ストックオプションとはどのようなインセンティブか」がわかりやすかったです。もっと砕けた説明から入りたい方は「スタートアップと株の話」がおすすめです

行使条件

ストックオプションを行使して株を取得するための、 行使条件を設定することがあります。ストックオプション保有者は、この条件を満たしてはじめて、権利を行使して株を予定価格で得ることができます。

典型的な行使条件としては「会社が上場すること」が挙げられます。会社が成長しストックオプションが十分魅力的な場合、起業家側は上場を行使条件にすると、より上場への誘因を駆り立てることができそうです。

ただ、日本でもシリコンバレーと同じように段階的な行使可能割合の拡大であるベスティングの条件を盛り込む例が出てきました。行使条件を満たすため上場するまで会社に留まることを事実上強制するのはあまり好ましくない気がします。スタートアップには出会いもあれば別れもあるので、別れた人にも合理的な範疇での報酬が設定されている必要を私は感じています。

調整条項

株式の分割又は併合が生じた場合に、その比率に応じて目的株数及び行使価額を増減させる内容が典型的なケースです。また、ダウンラウンドが生じた場合に株式時価の低下割合を一定の加重平均方式の計算式により算定して、その割合で行使価額を引き下げ調整する調整条項も一般的とのことです。ダウンラウンド調整の計算式において株式の「時価」にしっかりとした定義がないと紛争の大元になりうるようです。上場前の「時価」は「調整前の行使価額」を意味し、上場後の「時価」は、直近一定期間の終値平均を意味するというふうに調整計算式における「時価」を明確に定義する必要があります。

発行手続

  1. 取締役会 / 株主総会招集、議案(ストックオプション内容)確定
  2. 株主総会招集通知発送
  3. 株主総会決議(特別決議)
  4. 申込をしようとする者に対する通知・申込
  5. 割当の決定・通知
  6. 変更の登記申請

全株主が株主総会の招集手続の省略に同意し、かつ総数引受契約を締結すれば、2、4、5の手続を省略できます。

課税と種類

ここでは以下のように分類します。

  • 税制非適格無償SO
  • 税制適格無償SO
  • 有償SO
  • 信託SO

税について留意しなければいけません。SOがインセンティブとしてワークするためには利益への課税が一定の割合である必要があります。ストックオプションは原則として、権利を行使した時点で行使時の時価が権利行使価額を上回っている部分について給与所得として課税され、また当該株式を売却した時点で、譲渡価額と権利行使時の時価との差額部分について譲渡所得として課税がされます。

  • 税制適格として取り扱われると、株式売却時にキャピタルゲイン税(譲渡税)が課されます。税率は20%であり、低い税率で課税関係が終了します。
  • 他方、税制適格でない場合には、権利行使時に所得税が課され、株式売却時にもキャピタルゲイン課税がされます。役員や従業員の場合には、所得税・住民税の税率は最高で55%に達します。
  • ゆえにストックオプションを発行するときには、税制適格をみたすように設計する必要があります。
  • 税制適格は、行使期間や行使価格の年間合計額に制限があります。ただ一般の役員や従業員ならば、無理なくストックオプションを設計することができます(仮に税制適格を満たせなくなると想定されるときは、補完的な枠組みか、まったく別の枠組みを活用するべきです)。

無償SOでは税制適格か否かの面への留意が必要です。有償SOの場合は付与者がエクイティを購入し後に売却するという形式をとり譲渡税(20%)の適用となります。信託SOは企業価値を「冷凍保存」するような効果があります。スタートアップが利益規模などが大きくなった後に割当先を決め、貢献度の高い役員・社員に大きく報いる方式です。最近採用が拡大しており、特に昨年の機械学習スタートアップPKSHAのIPOで注目を浴びました。

このKazy Hataさんの『スタートアップのStockOption、特に税制周りについて』の記事にとても有用なテーブルがあるので参照をお薦めします。では、順番に説明していきましょう。

税制非適格無償SO

最大で給与課税55%、譲渡課税20%が課せられてしまいます。スタートアップでは活用することがないため、あなたは調べる必要がありません。あなたができるかぎり大量の税金を払いたい場合はかなり有用そうな印象があります。

税制適格無償SO

創業当初に無償SOを付与することがあると思います。そこには「2年間は行使できない」条項が盛り込まれることが多いと言います。国税は2年以内の行使を給与課税とする可能性が高いからです(税制適格ではなくなります)。このため後に説明するベスティングを盛り込む場合には、就業1年目から付与するものの行使は2年経過まで待たないと大損するということを創業期参加の従業員に説明する必要があります。おそらく信頼関係を基にしてレールに乗せてあげるほうがいいでしょう。

行使時期が付与から2〜10年であれば税制適格キープされます。税制適格要件としては、前出の「ストックオプション税制のご案内」(経済産業省)](http://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/stock_option/index.html)では以下のように説明されています(抜粋)。

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この「2年間は行使できない」条項は、行使期間中における従業員の権利行使可能数を段階的に引き上げるベスティング(後述)とぶつかるはずなので、例えば2年以降から50%行使可能、在籍3年75%、在籍4年100%が行使可能と設計するべきと勝手に想定しています。

行使価格を「新株予約権発行の取締役会決議日の前日の終値」とした場合でも「取締役会決議日以後速やかに付与契約が締結される場合には、税制適格ストックオプションとして取り扱って差し支えない」(国税コメント)とされています。

非常に重要なコーナーケースが「税制適格SOの発行から2年以内のM&Aでの行使」です。この場合、国税庁の見解がわからないみたいんです(このブログからのまた聞きです)。

AZX法律事務所のブログでは以下のように説明されています。これは法律家に助言を仰いだ方がいいと思います。またコメント頂けるようであればぜひお願いします。

将来のM&Aの可能性を踏まえて、上記(2)①の行使制限の2年間の間でもM&Aの場合には行使できるようにしたいという要請を受けることがあるが、このような形にしてしまうと税制適格とならなくなってしまうリスクがあるので注意が必要である。

「行使価格が年間1200万円を超えない」との条件があるので、ビッグプレイヤーと取引するときは後述の有償SOか生株の譲渡をしないといけないと想定しています。スタートアップがメルカリ並の成長を遂げたときは、行使価格が年間1200万円を超える人が出てくるでしょう。そういう人には次の有償SOで予約権を買ってもらう必要性が生じるはずです。

有償SO

有償SOとは、従来型のSOのように職務執行の報酬として付与されるものではなく、公正価値による新株予約権の発行価格を金銭で払い込むことにより新株予約権を購入するもので、付与対象者が発行会社の新株予約権に対して投資を行うスキームです。従来の無償SOのように会社から付与されたものを受動的に受け取るのではなく、付与対象者が自らの判断で能動的に投資することになります。

有償SOは、公正価値による新株予約権の発行価格を金銭で払い込むことにより新株予約権を取得する投資スキームであり、報酬として発行するSOではないため、会社法上の取締役が付与対象者となる場合でも株主総会による報酬決議は不要です。すなわち、有償SOは、取締役会決議のみで機動的に発行することができます。

SOを取得した役職員は、設定された業績や株価に関する目標を達成すると、株価上昇分の利益を得ることができるため、業績・株価に関する意識づけおよびその目標達成への動機づけ効果は、通常の無償型ストック・オプションよりも高いものが期待できるという考えられます。

信託型SO

信託活用型SOとは、発行時点の比較的安価な行使価額の新株予約権を、将来に渡って配布することができるスキームです。付与対象者および付与規模を『後決め』することができる点が特徴です。個人のパフォーマンスを考慮した事後的な付与や、将来の入社予定者への実質付与が可能です。

信託型SOは低めの価格で発行されるため、付与された者は上場などで企業価値が上昇した後に権利行使して株式を取得し、市場で売却すると大きな利益を得やすい。現時点で入社していない役員・社員でも業績などへの貢献度に応じて後から付与することができます。オプション価値に相当する購入資金は、従業員は負担せず、信託への拠出時に大株主(概ね創業社長)が負担します。

同時に一定の期間が経過した後にストックオプションの対象者・配分等を決定することとなるため、当該期間までの役職員の実際の貢献度を考慮することが可能となります。

ダウンサイドとしては、導入時のコストが高額な点が挙げられます。「時価発行新株予約権信託」スキームを構築、アドバイスできるコンサル会社はプルータス1社とも言われており、このコンサルティング費用が発生します。1000万円を超えるケースもあるようです。発行する企業はこの費用をカバーできるスケールメリットを表現する必要があります。ただ、今後この制度自体が普及してくれば導入コストは下がると予想されます。 

「発行時において、対象者・配分等を確定しなくてよい」ということは、逆にいうと、「発行時には役職員に確定的に帰属していない」ということになります。付与する側が事後調整をかけられるため、付与側を優位にする制度であることは間違いありません。付与する側に公正な判断基準と良心をもつことが含みにされていると感じられます。シビアな考え方をする従業員はそれに期待せず、他の職を探す行動をとることを促してしまう側面もあるでしょう。仮に僕が役職員として付与されたとしたら「存在しないもの」と考えると思います。お金が絡んだとき人間の良心など信じるに足りません。そして評価というものは常に主観的になされるからです。

信託型SOは会計士、税理士、法律家の他、助言してくれる専門家の皆様にプレゼントしたいな、というときに有効なケースが有るかもしれない、という考え方をしています。

ベスティング

従業員等の在籍期間等に応じ行使期間中における従業員の権利行使可能数を段階的に引き上げることを指します。具体的には、各付与対象者の入社からの在籍年数に応じるもの、新株予約権発行からの経過年数に応じるもの、株式公開後の経過年数に応じるものなど、いくつかのパターンが見受けられます。このようなベスティングの条件は、全対象者一律の内容として規定可能なものであれば新株予約権の「内容」に盛り込むことも可能です。

対象者毎に条件を変えるケースがあります。その場合には新株予約権の付与契約の方に規定を入れることになります。日本の実務では、前述のとおり従業員等の地位の保持が行使条件とされ、かかる地位の継続保持を前提として、一定の経過期間に応じた行使を認める形のベスティングが一般的です。米国のストックオプションでは、退職までの在籍経過期間等に応じて、付与数の一定割合を退職後も行使できるようなベスティング条件が設定されるケースが多いそうです。

M&A

買収企業の視点からみて、特に被買収企業を 100%子会社化することを想定しているような場合、被買収企業が発行していたストックオプションが買収後に行使されると、100%子会社化が実現しません。そこで、このような場合には、被買収企業が発行していたSOを買収前に整理する取引をすることになります。ホルダーが税制適格SOを買収企業に譲渡するときの税制適格が担保されるのかいなかはふたつの国税コメントがぶつかっており、不透明です。

M&Aのときに役職員に付与されたインセンティブが失効してしまう設計にしてはいけません。このコーナーケースをなくしSOを設計する必要があります。特に発行から2年経っていない税制適格SOの扱いなどについては深い検討が必要です。

従業員のためのガイドラインを設ける必要性

Y Combinator卒業生のGustoは”guide to employee equity” を作ったそうです。Gusto CEOのJoshua Reevesは従業員のSOの理解が少ないこと言及しています。

このガイドは、私が作成して社内で共有したドキュメントに基づいています。 多くの従業員は、ストックオプションの価値と財務上の影響を理解していません。 このことは混乱を招く可能性があるので、私たちが行うべき正しいことは、私たちの成功の最大の利点を得るための知識を従業員に与えることであると感じました。 このガイドの概念は、基本的に私が従業員にオファーをしたときに経験したことであり、それが他の起業家にも役立つことに気付いたことです。

どうやら付与したSOが実際にどの程度の株式に相当することになるか等、とても基本的なことから教育が始まっている印象です。

最初のものは実際のオファープロセスに関するものだと思います。 多くの場合、人々は自分の持分の詳細を知らないので、すべてのオファーで伝達する必要があることが3つあります。 人々は彼らが提供されている株式の数を知る必要があります、彼らは彼らの株の価格を知る必要がありますそして彼らはまた会社の評価または会社の発行済株式数を知る必要があります。 それらは、他のものを計算することができます。

理解してもらえないと誘因としての効果が薄まります。世界は本当に複雑で誘因に反する行動をとる役職員も現れるはずで、会社のメカニズム設計が歪んでしまうでしょう。

ソフトウェア・エンジニアには『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』を読んでもらうことから始めてもらいましょう。

自分が現段階で想定する手筋

リスクに応じて初期の参加者には生株、中期後期の参加者にはストックオプション(SO)という構成を想定しています。

生株に関しては無議決権株式か議決権を創業者の私に無期限で付与する形式を採用できないか検討しています。つまり株式が付与するものをキャピタルゲインに絞ります。理由としては、議決権が断片化すると意思決定の速度が鈍化してしまう可能性があり、また取締役会への”脆弱性攻撃”の誘因が増す可能性もあることが挙げられます。

生株の分配においての課題は、分配された参加者が一定期間の後にチームから離脱するケースへの対応です。離脱者の株は創業者の吉田が買い取ることを、契約書において規定します。買取価格については付与から年数、離脱する理由の合理性の有無等に応じて場合分けをし設定します。この条件に関しては公開しませんので、吉田と話してみてください。

SOに関しては専門家を交えて税制適格のものを設計する予定です。初期においては無償SO、中期においては有償SOを付与することを予定してます。税制適格であれば、譲渡税の20%の課税にとどまります。両者ともにベスティング(Vesting)を採用します。新株予約権の付与から1年ごとに付与新株予約権数の25%ずつの行使を認めていきますが、前述の通り無償SOの場合は2年以内の行使だと、税制適格から外れてしまうので、「2年以内の行使はできない」の条項を入れる予定です。

感想

  • メルカリ、Fincの例を見てみると、当初は無償SO、会社の将来性が明るくなり始めたころから有償SOへと変化しています。有償SOを買う蓄えがない人には給与の一部から天引きするなどのスキームを作ってあげるといい気がします。
  • 僕はまだ正式に事業を開始する前ですが、SOは資本政策の重要な一部であり、資本政策ともに綿密に計画することが肝要と考えるようになりました。その「不可逆性」と保有者をインセンティヴァイズするための教育には細心の注意が必要です。私は学部で経済学を学び、8年程度の職歴のなかでも経済学の学習を続けてきたので、従業員が誘因に適切に反応するという想定を持っています。そのため経営者目線ではなくむしろメカニズムデザインの観点でストックオプションの設計を行いたいと考えています。
  • いいSOを設計して”Skin in the game”(身銭を切ってゲームに参画する)を実現させましょう。

参考になった書籍、記事

柳田 恭兵 スタートアップ経営者必見!ベンチャーファイナンスの法律実務、第1回 ストックオプション制度の新潮流

これからのインセンティブプランの形 第1回 有償ストック・オプションとは

スタートアップのStockOption、特に税制周りについて

太ったらストック・オプション没収です。攻めるFiNCの資本政策【SO設計編】

スタートアップこそ導入すべき、「ストックオプション信託」とは? -法律事務所ZeLoの弁護士がベンチャーファイナンスの法務を解説する(第1回)

木内・橋本会計事務所、ベンチャー企業であれば、必ず「時価発行新株予約権信託」は検討すべき

 

たったひとつの冴えたやりかた 今週の進捗#18

今週はベータ版をローンチしました。メンバー募集中です。この記事の(5)に福利厚生、給与、インセンティブなどの諸条件が記載されています。

axion.zone

長い道のりだったとかなんだとか言うつもりはありません。挑戦はずっと続いていくので、始まったばかりだ、という感想です。でもやっぱり楽しくなってきました。スタートアップというゲームの全貌が分かってきました。やはり僕が好みとしている不確実性の高いゲームなのです。そして自分は悪くないプレーをしてきたと自信を持つようになりました。

資本政策

近い内に資金調達をしようと思っています。 axion はシード、プレシリーズA、シリーズAのどこかに存在しています。もしビジネスに確証を与えるチームを組織できれば、去年のサイトのトラフィックのほか、ビジネスの見通しなどを勘案して、シリーズAから始められる気がしています。

日本には合計350社超、CVCだけでも250社以上、VCだけでも100社以上あるそうです。日本は世界のものさしで見たときに中堅規模の上場企業が多いですが、その企業群は現金をたくさん持っています(従業員の賃金をカットしている傾向があります)。そのお金たちはシャドーバンキングを含むさまざまな形態で世界中に蓄積されています。彼らはCVCという形で余ったお金のほんの一部を日本経済に投じているわけです。このすべてがアーリーステージの投資をするわけではありませんが、基本的にはアーリーステージの投資が膨張している傾向がシリコンバレーで先にあり、日本も同じ傾向があると考えられます。

note.mu

同時に日本は未曾有の金融緩和により資本調達コストが落ちており、積もりに積もった個人資産は行く宛を失い「ホームレス」になっています。このホームレスマネーがVCにも流入していると推測することができます。日本のVCの資金源は国際化しているようであり、近年は中華系のプレイヤーの存在感が高いと聞いています。

上記の状況を勘案すると「安心してください。お金ありますよ」と僕は考えています(古いしうまくない洒落です)。だから資本調達に関しては即座に好ましい条件に到達することが重要ですが、何が起こるかわかりません。仮に苦戦するようなら、親のスネをかじってでも粘ろうかと思っています。丁度今日、母親の誕生日で埼玉県さいたま市の実家に行くので、誕生日にもかかわらず、状況が長期化するときはスネをかじらせてくださいと頼みに行こうと思っています。本当にダサくて死にたいですが、それで会社の未来を数倍、数十倍よくできるのなら、将来に起こりうる困難を削減できるなら、恥なんて死ぬほどかいてやろうと考えています。

以下の記事によると「東大創業者の会応援ファンド」が発足し1号案件が決まったそうです。私が卒業した早稲田大学でも同様の試みがあればいいなあとは思いました。調達額の規模としてはかなり違うので、そのままこれに当てはまる必要はないのですが、まあ卒業大学という属性を活用することもやぶさかではないなと思うわけです。もちろん早稲田ということに固執していませんし、僕は卒業からコネゼロでやってきたし、そういうの好きじゃないんです。

jp.techcrunch.com

それで上記のローンチに関するブログを書いているとき、雇用条件について勘案しました。参画者に生株、ストックオプションの譲渡をするケースを想定したとき、僕は自分が詳細な資本政策を描いていないことに思い当たりました。それで調べ始めると本当に奥が深かったのです。調べるのは今回が三周目くらいなのですが、すでに前に知ったことの半分を忘れていました。

丁度そのとき以下の記事をTwitterで読みました。五常・アンド・カンパニー株式会社のTaejunさんがNoteを無料公開してくれたのです。「株の持分はやり直しがきかない。特に序盤でコケると本当に大変な目に遭う」そうなので、とてもためになりました。

note.mu

ここは腰を据えてしっかり学習するときです。ベンチャーファイナンスの知識は基本的には「覚えゲー」で、覚えれば覚えるほどリターンがありそうです。それでも実践の経験でそれらが補強されるだろうし、そればかりやっている投資家と起業家の力の差は如実にあるはずです。信頼できる法律家を見つけないといけませんし、そういう人に株式を譲渡するなどで共通する利害関係を構築するのも手だと思います。以下に現状の学習の課題を列挙しておきましょう。

  • 自分で想定するキャップテーブルを描く。そのとおりにはならないが、最初に自分で描いておくことが重要。
  • 投資契約とタームシートにおける交渉の前知識をつけておく
  • 創業者株式の仕組みと種類株式の知識
  • ストックオプション税制

もっと知識を深めて、頭の中に全体像を持とうと思います。ここで勉強した後、またこのことを学べる時間がいつ与えられるのかわかりません。ここから先はものすごい加速的に物事が起きていく気がしてならないのです。

仲間探し

事業の酸いも甘いも吸い尽くした人とこの段階まで来ることが好ましかったのですが、そうはいきませんでした。ということで、これから仲間探しをやっていきます。エンジニア、編集者、経済ジャーナリストを募集しています。

axion.zone

開発

開発の側面では、axion ver 0.1 と考えています。まだ掘っ建て小屋のようなもので、途中で今あるものをすべて捨て去るときが来るでしょう。それが早いタイミングになればなるほど、僕らがうまくやっている証左になるはずです。

僕は今後バックエンドの開発手段を学んで行こうと思います。多くの先達たちがPHP, Railsのようなフルスタックフレームワークで開発し、その制約に苦しんでいます。クラウドでマイクロサービスを構築するモダンなウェブアプリケーションの開発に、PHP, Rails はそぐわなくなっています。プログラミングスクールや教材にとって、PHP, Railsを教えることが”美味しい”ので、これらを学んだ新規参入者が業界に流れ込んでくるわけです。投資家の一部にはPHP, Railsのクソハックで構築されたアプリを好む人がいると僕は推測しています。でも、そういうものは最初から制約を抱えてるいため、大きく成長することはないでしょう。マーク・ザッカーバーグやジャック・ドーシーがそれらの言語で最初のプロダクトを作ってから、長い時間が経過しています。

Go言語が有望です。Goは,CやC++などが使用されるシステムプログラミングの領域で,より効率良くプログラムを書くことを目的に作られました。UnixC言語の開発者Ken Thompson,UTF-8の開発者Rob Pike,memcachedの開発者Brad FitzpatrickがGoを開発しました。Goを選定するには以下の理由があります。

ベンチャーファイナンス、法務の学習が優先事項ですが、Golangにも相応の時間をさけるようにしたいです。エンジニア獲得に失敗したときには、僕自身が唯一の開発資源になる期間が生まれるシナリオもありうるわけですからね。

gihyo.jp

The Go Programming Language

運動

今週は3975㍍泳ぎ、52キロ歩いた。気候が暖かくなりそうですから3月買うらいからマラソンを復活させようかと思案しています。

感想

顔がむくんでいる気がします。毎日トライして一歩一歩実現していけば、必ず形になっていきます。目標の設定とその実現の仕方が大事です。

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Takushi Yoshida, 麹町のカフェにて、Feb 16, 2019



来週ベータ版公開します 今週の進捗#17

ホスティング移行

NetlifyからFirebaseホスティングを移行しました。ロード時間が一定程度改善しました。SSDにコンテンツをキャッシュするCDNFastly)のおかげでしょうか。Firebaseサードパーティ認証機能を提供しており、そのUIも提供しているので認証設置しようかと考えました。しかし、現行のサイトは小規模なニュースサイトに過ぎません。機能が過剰な状況になるのが目に見えたので、散々調べた末にやめました。

Google Analytics設置

サイトにGoogle Analyticsを設置しました。面倒くさいので放っておいたのですが、さすがにつけておこうと思いました。

ベータ版完成

これでベータ版の準備ができました。来週には「できました」と宣言をするつもりです。この週次の進捗報告、平均して100人弱に読んでもらっています。その100人にはすでにサイトのことがしれているので「ベータ版を出しました」と宣言することにどれだけの意味があるのでしょうか(笑)。それでも、より多くの人に知ってもらうことも、メンバーの募集の機会にすることにも、大いに意義はあるはずです。

ビジネスプランの和訳

ベータ版の発表とともにプロジェクトの内容を知ってもらいたいと考えており、その一環として事業計画書(ビジネスプラン)を日本語に翻訳しました。すでに英語の事業計画書は存在するのですが、日本語の方が読みやすいと思います。事業計画書は陳腐化しやすいので、流行に逆らって文字を多くしてしっかり情報を詰めるようにしています。スライド芸がもてはやされることがあることも知っていますが、スライドの流麗さとビジネスの成功にどれほどの相関があるでしょうか。

英語

https://drive.google.com/open?id=1njrKU_oRaCSc2sgj5w9XFkXmXfe9zWNa

日本語

https://drive.google.com/open?id=1t-gHwMJnxYrybdq3pFeOJLETCUdgsboS

Qiita記事の執筆

僕は合わせてどうベータ版を開発したかをQiitaでブログを書きました。内容はほぼできていますが、後一度推敲しようと思います。これも来週公開します。

今週気になったこと

NewYorkTimesのデジタル収益7億ドル

New York Times、2018年通年でのデジタル収入が、7億ドル突破。2014年に4億ドルだったが倍増。僕の定額制メディアを作るという選択は完全に正解だったみたいです。

日経新聞を退職しました」を読んで

新聞社で冷や飯を食うエンジニアは僕のスタートアップに参加してはいかがでしょうか? 記者出身だけどCS独学してプログラ厶書いているし、古い権威主義的な体質に苦しんだ経験を共有しています。メディアではなくテック企業に勤めてはいかがでしょうか?

anond.hatelabo.jp

Hit Refresh

典型的なインド人エンジニアの成功ルートから少し外れているサティアさんがこれだけの成功を収めているの凄いと思いました。挫折していた方が長期的に成果を出せる印象をもらいました。しれっとノキアの買収には反対したことを盛り込んでいる(あの大失敗は僕のせいじゃないぞ)のもしたたかでいいですね。

Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来

Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来

 

運動

3225㍍泳いだ、43㌔歩いた

感想

今日は余りにも寒すぎます。今年の冬は一度も風をひいていないので、このままうまくやっていきたいです。

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吉田拓史、2019年2月9日、自宅のスタジオにて


 

一緒に”経済紙のNetflix”を作りませんか? 開発者とジャーナリスト募集 今週の進捗#16

先週は静かにこの「進捗報告」を更新しなかった。このため2週間分の進捗を振り返ってみよう。

僕は1月25日に暗号通貨「Algorand」のミートアップに出席した。AlgorandはMIT教授、Silvio Micaliが発明したものである。Micaliはコンピュータ科学のノーベル賞であるチューリング賞の受賞者。Micaliが発明したゼロ知識証明は公開鍵暗号、デジタル署名、ユーザ認証などに応用されている。それはあなたが安全にインターネットを楽しんでいることに貢献している。

Algorandの興味深い点は、先行するビザンチン合意(ビザンチン将軍問題を解決する分散合意)よりも効率的かつ安全なそれを達成している点である。これは本当に長話になるので、Algorandについてはふたつのブログを書いているので、興味のある人は読んでみてほしい。

axion.zone

axion.zone

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Micaliには講演の後にプライベートにふたつの質問に答えてもらい、とてもハッピーだった。自分の質問はとても興味深いものだったはずで洪水のような回答が返ってきた。短い時間のなかで自分の考えることを英語で表現できたか少し不安ではある。

クリプトエコノミクス

前々からこの日記では、CSと経済学が交差する場所が面白いと言っているが、暗号通貨、ブロックチェーンで構成するクリプトエコノミクスはその最たる実験の場である。一時のブームは終わったものの、CSや経済学の一部の人々は既存の貨幣、経済秩序が「とりあえず」のものだと気づいた。僕たちはもっといい経済のなかで暮らしていけるかもしれない。

「エージェントに暗号通貨を使った経済活動をさせる」というのを、DeepMind当たりにやってほしい。リアルタイムストラテジーゲームであるStarcraftで、DeepMindは人間を打ちのめした。狭められた条件のなかで適切な要件とインセンティブを設定すれば、仮想経済を試すことができるのではないか。金融市場の大半の取引はすでにアルゴリズミックにされている。個々のプレイヤーは利己主義のもと自己の利益拡張を目指すが、それが必ずしも資源配分の最適化に寄与しているとは言い難い。世界には超富裕層や投資の仕方をしらない日本企業によって使いみちのない富が積み重ねられている一方、多くの人達が貧困をその主要因として飢えたり病んだりしているのだ。

deepmind.com

暗号通貨とシミュレーションを使った探索で、いまある馬鹿げた経済のあり方を変えられる可能性があると僕は信じている。この無邪気な信仰こそたぶん僕がスタートアップをやる理由である。ちょっとした小金持ちになったり、セルフブランディングしたり、思考停止したフォロワーを操ったりすることにはあまり興味がない。

開発

認証とそれに紐付いたコンテンツの出し分けを開発しようとしているが、初学者1人で開発できる範疇を超えていそうなので、切実に開発者を募集したい。モダンフロントエンドを書け、パフォーマンスチューニングを視野に入れたフロントエンドエンジニアと、AWSGCPでの開発経験のあるバックエンドエンジニアが必要である。この機能追加が終われば、推薦システムの開発がメインになるので、機械学習エンジニアも募集することになりそうだ。事業計画書やモバイルアプリのプロトタイプもここにあるし、Webのプロトタイプはリンク先の"axion.zone"なので観てほしい。CSと経済学が融合した面白いコンテンツである。

axion.zone

Reactの復習を始めたが、計算機科学を少し学習した後だと理解の染み込みが違うものだなあと慨嘆している。現状はGatsby.jsを利用してWebpack、Babel等のビルドツールの他、簡易なService Workerの利用等の学習コストをスキップしている。同時にパフォーマンスへの投資もスキップしている。この両方面に時間を投資するよりは、クラウドの上でAPIを組み合わせてアプリを作るスキルに投資したいので、ReactはSPAが楽しく動く程度わかっていればいいと考えている。

で、Goに投資するか悩んでいる。現行はNode.js+Reactの構成で全く問題ないが、将来的にはハードウェアの力をうまく引き出すことを考えないといけないし、投資対効果の観点や単純に書いてて楽しそうだから、Goをやろうかなとは思う。一応、僕は会社を大きくしてクラウドで稼働する大規模なシステムを運用したいので、そのためにはGo、マイクロサービス、K8s等を早々と採用していきたい。

ただ、早い段階でユーザーの手に触れさせることも重要なので、いまあるのをベータ版として公開しようかなと思っている。というか、できている、これなのだ。早いタイミングで「ベータ版あります」と言おうと思っている。

axion.zone

ということでNode.jsにお別れを言うときが来たのだ。正直、Node.jsはモジュールの中身を知らないまま「あっ動いたがな、じゃあオッケーだ」でやっていたから、危険な運用であることこの上ないのだ。だから、別れを告げる前にもう一度、Node.jsについて学習してみた。一度学んだRailsPHPに別れを告げ、Node.jsにも半ば別れを告げようとしている。
ソフトウェア・エンジニアリングの世界はドックイヤーとはいえ、初学者でここまで埋没費用を伴う学習をしないといけないのはエグいぜ。とはいえ、RailsPHPのようなフルスタックフレームワーク固執していれば、座して死を待つばかりである。Node.jsへの見切りは早すぎる気もするが、もっといいレーンに飛び移るためには、高速道路の真横のディーラーで新車を買い、乗っていた車を売り捨てるマインドが大事だ。というか、僕の人生がそんなことばかりである(ブログの初回から読んでみてね)。

新時代の新聞作ります

gendai.ismedia.jp

さて、新聞部数が一年で222万部減したそうである。これはすごい数字なのだけど、前々から予測がついていた。僕は以前はこの激震の中でどうメディアをデジタル化するか、という文脈で仕事をしていた。読者の高齢化はどんどん進んでおり、若い人は完全に新聞に興味をもっていない。中には読者層が介護施設に入るときに購読を解約する傾向が顕著なので、読者の平均年齢が平均的な介護開始年齢に重なり合う時点でクライシスが起きると主張する人もいるのだ。

日本の主要紙は行政の第三者機関としての役割を果たしていない。同じグループのテレビ局とセットで、政府のグループと対になっており「情報省」が5つから6つあると考えればいい。この情報省たちが行政と肩を組んで「世論を誘導する」のだ。正月に実家に帰ると、親族が情報省経由の情報を信じていることが確認された。

他方、支配的な地位を保ち続けるポータルサイトに加え、近年はキュレーションアプリや月額課金制アプリが生まれている。特徴はアプリで面をとり、上記の新聞社等が製作したコンテンツを二束三文で買い取り、シャッフルして提示することで価値を提供している。

率直に言えば、価値のないコンテンツには価値がないし、価値のないコンテンツを入れ替えても価値がない、と僕は考えている。さんざん馬鹿にされ、旨味の大半を配信者にスポイトされる泣きっ面のコンテンツ製作というプロセスだったが、フェイクニュース後の世界でその輝きを取り戻している。

僕がやりたいことはコンテンツの製作と配信を一気通貫し、無用なサードパーティを徹底的に排除することだ。パブリッシャーへの課税をなくすことでありいいものを作ることを奨励したい。このことについてはずっと考えていて、フェイクニュース問題とその後の業界構造の変化、NetflixSpotifyの成功、ゲーム業界でのTim Sweeneyの戦略等を観て、その有効性を確信している。

まずは、ユーザーがコンテンツの優劣を判断しやすい経済のジャンルが、僕のプランに適合している。経済コンテンツのNetflixである「axion」をやっていく。コンテンツ製作においては、調査報道の経験があるジャーナリスト、編集者、アナリスト等を募集している。僕自身記者、アナリストの経歴である。インドネシアでは政治経済分野において情報収集、分析の面で大使館、総合商社、各種の権益者に対し完全に優位に立ち、将棋に似たモデルを利用してゲーム理論の観点から大統領選挙を分析、予測し、海外筋の中で独走したことがある。「石油マフィア」と呼ばれる中央政府予算の2割超に関連する大規模な汚職疑惑を初めて指摘した外国人ジャーナリストでもある(諸々の理由でリンクが消失した)。前職では日本のメディア広告業界とデジタルマーケティングにおいて業界地図の変化に大きく寄与する働きをした。僕はこの分野にはとても自信があり、アジア最強の不確実情報分析集団を作りたいと考えている。我はと思う人は連絡してほしい。

上記の開発者募集を含め創業メンバーを募集している。以下に詳細がある。英語だが簡易な事業計画書 (ビジネスプラン)もあるのだ。カジュアルにお茶がしたい、ランチしたいというのも大歓迎だ。Twitter(@taxiyoshida) が最もアクティブだからよろしく。

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2/2 2019 麹町にて

axion.zone

頭がドライブ

どうも先週末から頭がドライブしている。Micaliさんに質問できたことでどうも興奮している。あと『宇宙よりも遠い場所』に感動したのもある。記憶喪失が続いている。

運動

1月21日週は3175㍍泳いだ、61㌔歩いた。
1月28日週は2500㍍泳いだ(明日も1500ほど泳ぐ予定)、43㌔歩いた。

 

巨人 (Google) の肩の上に乗ることに躊躇はない、巨人 (Google) が邪悪でない限りは − 今週の進捗#15

月曜日は祝日だったが、構わず学習に充てることにした。tcfmというシステムプログラミングのポッドキャストがあるが、話している内容の数割しか理解できないほど難解な代物である。この性質を利用して「tcfmテスト」という儀式をしている。どれくらいポッドキャストの内容を理解できるかから、低レイヤーの理解度を測定する。半年前に比べると理解できる範囲が広がっているのを感じるが、数分間、置いてきぼりが続くことも稀ではない。

Go言語に少しだけ手を出している。シンプルな構文といい、その設計といい、とても好ましい言語のように感じられる。『Goならわかるシステムプログラミング』はとても面白い本だった。

Goならわかるシステムプログラミング

Goならわかるシステムプログラミング

 

システムプログラミングの話はとても面白いのだけど、自分のスタートアップにはまだまだ余り関係がないので、週の後半からはより実用的なFirebaseの学習に切り替え、ドキュメントや動画等を観たり、React Appをホスティングしたりした。Firebaseを利用する旨味は余りにも大きいのでNetlifyから移転する予定で、Firebaseのちからを借りて機能を追加していく考えである。

低レイヤーの学習をしたのち、それを隠蔽する装置であるFirebaseを学習するのはどうにもこうにもバカバカしいのだが、これでいいのである。総当たり的に学習していく戦略に切り替えたからだ。それは僕の体力面が著しく回復したこともあるし、学習体力を引き上げるにはハードワークが必要だと考えたためだ。

先週末の「次世代 Web カンファレンス」のセッションを動画で観た。HTTP/3、HTTPS、Webパッケージング等など将来に思いを巡らした。僕は巨人(Google)の肩の上に乗ることに躊躇はない、その巨人(Google)が邪悪でない限りは、というのが結論である。

Firebaseでニュース系Websiteを作ると、Googleが通信の土管を保障し、通信プロトコルGoogle製のQuicで、GoogleCDNからコンテンツがサーブされ、将来的にSxgでコンテンツ署名するときも、一事業者には秘密鍵の管理と仕組み構築のコストが大きいからGoogleにおまかせするという未来を含意してる。

それでもこれが合理的だから僕はGoogleのしていることに乗っかろうと思うけど、収益化の部分とかで胴元から制約が加えられると、プレイヤーはTim Sweeney状態になったり、DeepなWebに逃げていってしまうはずだ。胴元があまりGreedyにならないのが、皆にとって(胴元にとっても)最も好ましい未来だと思う。

これは多分、パターナリズム vs リバタリアニズムの議論の範疇だと思う。自然状態だと、人間は不合理行動や悪意の行動をとるので、パターナリズムは必要なのだけど、それが個人の選択する権利を阻害する副作用があるので、強制が自覚されない選択アーキテクチャGoogleが作ろう的な話だよ。

僕の勘だけど、悪意のプレイヤーを一定数含んでいる方が、システムはむしろ頑強になるし、サスティナブルなのではないか。いまはまだまだ、悪意のプレイヤーが幅をきかせすぎているので、Googleの方向性は誤っていないが、いつかはそういう「メカニズムのたるみ」みたいなものが必要になるだろう。

Firebaseへの移転と一定の構築を終えたらベータ版出してメンバー募集の確保を進めていこう。

2019年予測記事

こんな感じの記事を書いてみた。本当に当たり前のことだけど、ビジネス筋にはまだ時間差があって、うまく理解されていないことをしっかりまとめたつもり。粉飾決算で有名な電機屋さんのCSOがその無知を界隈で振りまいているようなことが起きているので、しっかり筋の良い情報を知っていれば、ビジネスパーソンは弱い日本人に対して勝つことができる。実はGoogle Analyticsまだつけてないので、どんな人が読んでくれているか余り理解していない(笑)。推定するな、測定せよ、らしいので、しないと。

axion.zone

axion.zone

axion.zone

運動

3500㍍泳ぎ、50㌔歩いた。来週は5000㍍泳ぎたい。

最後に

どうも疲れが溜まっているので、サウナに行こうと思います。来週はもっと進捗出したいし、Algorandでまさかのチューリング賞受賞者に会えるので楽しみです。また来週。

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千代田区のカフェにて

 

iPhone のダウントレンド あなたのモバイル戦略を変更するとき − 今週の進捗#14

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Via Apple News Room

富裕国(先進国)におけるモバイルのエコシステムの飽和は著しい。Appleがシグナルを送り続けているからだ。この記事にくどくど書いたけど、iPhoneは「ムーアの法則の死」の影響をバッチリ受けて技術革新を表現できなくなりつつある。「圧倒的な割高にもかかわらず技術的なアピールが薄まりつつある商品」なのだ。

それが今年の新しいiPhoneだったけど、来年の新iPhoneはSoCのプロセスを7nmにするようだが、それがどれくらいパフォーマンスを増幅するかは自信が持てない。A12の段階で、Qualcomm, HuaweiのSoCとは微差の状態であり、これらを積んだPixelや、SamsungHuaweiの高価格帯機種とはカメラ、スクリーン、OSなどの差もほぼ存在しないので、僕は最もコスパのいいHuaweiを買うことをオススメする。そして、頭のいい消費者はすでにそう行動しているし、これからそういう態度は顕著になるだろう。

中国の年末商戦でiPhoneが不調だったと、クックはCEOレターにしたためており、有名アナリストは2019年度のiPhone販売台数は2018年から10%も減少すると予測している。

Huaweiを舐めてはいけない

Huaweiを舐めてはいけない。舐めていれば無知を晒しているのと同じである。Huaweiはチップのデザイン能力を高めている。AIチップの開発を外部のスタートアップと進め、組み込みコンピュータでの利用を想定した機械学習ライブラリ、OSを開発している。ネットワーク、通信機器の一部では大きなシェアをもち、特許を積み上げている。5Gの世界はHuawei機器がなくては成り立たない。あなたの手元にあるコンピュータだけでなく、周辺のネットワークにHuaweiは存在することになるかもしれない。”すべてが繋がりインテリジェンスを宿す”次の世界への影響力は、すでにAppleよりもあるのだ。

トランプがHuaweiに牙を向いたのはこういうバックグラウンドがある。Huaweiを締め出そうとするトランプの行動により、5G以降の次世代のプラットフォームが米中で分化する世界線に我々の世界は移った。コンシューマ、ユーザーとしては余り楽しいことではなさそうだ。

この状況については、来週、超豪華な予測記事を出すので、読んでもらえると嬉しい。

HTTP/3とEdgeの衝撃

HTTP/3の導入は大きなインパクトが想定できる。ネットワーク利用者はすべからくTCPボトルネックを超えた、現代的なネットワークプロトコルを利用することができるだろう。モバイルユーザーの体験を向上させるためにはappが好ましいという判断が下されてきたのだが、Webの難しさが解決されてきており、HTTP/3はより大きなジャンプになる。

また昨年末にEdgeはがChromiumを採用すると宣言したのは余りにも大きな転換点である。ウェブ開発者としてはブラウザ対応の選択肢が限られ、ありがたいという側面があるが、Internet ExplorerSafariに留まるユーザーは多数いるので油断はできない。またブラウザにおけるGoogleの力が増したともとれることには注視が必要だ。HTTP/3の最も重要な仕様変更であるquicもGoogleが開発したものを、IETFで取り入れるという経緯がある。

とにかく、自分として最も大きな影響としては、モバイルappの地位をWebが揺るがすことだ。appを使うことをひたすら教育されてきたユーザーをどう再教育するか、Googleのようなビッグプレイヤーの力が、ユーザーの移行を促せるものなのか。

最近のWeb開発では、フロントエンドインフラとパフォーマンスの分化が進んでいるみたいだ。フロントエンドはツールチェーンが雨後の筍のようにあり、常に変化が進んでいるので、インフラ担当者を専任で置く必要がある。ユーザーは速度に対して極めて敏感なため、主にモバイルを想定したパフォーマンスチューニングの重要性が増している。パフォーマンスエンジニアの技術スタックも多く、従来型のフロントエンドとはかなり異なる技能要件を要求する。彼らはブラウザをよく知り、同時にそのアップデートを常に追いかけながら、CDN、ネットワークプロトコル等を深く理解している必要がある。間違いなく専任を1人置く必要が出てきているだろう。

僕のaxionのような初期のスタートアップは「必要最小限のことを実現する」のが重要だと考えられる。機能を膨らましすぎれば、それに伴いパフォーマンスが落ちるためチューニングが必要になってしまう。そんなたくさんのことを実現することはできないので、必要最低限の機能を試しビジネス要件を満たすようならアプリケーションの規模を拡大し、チューニングというコストを支払うのが好ましい。そしてFirebaseのような便利なものはすぐに活用する必要がある。

Go言語

今週はProgateでgolang入門をやってみた。その後、JSを書いたり読んだりすると、JSのSyntaxがひときわムカつくように感じられた。もしかしたら、Web開発にとって最も汎用な言語だからという理由で、JSから入ったのは誤りだったのではないか、と感じた。ただ、何れにせよJSからは逃れられないことだけは確かだ。少し触っただけだけど、golang、いいのではないか。Go、GCPでバックエンドを構成できるようになれば、選択肢が増えるので、今後も継続的に学んでいこう。次第にGoogleの手先になっているかもしれない。

いらない機能は排除せよ

このNetflixプロダクトマネジメントに関するブログはとてもためになった。チームがいいプロダクトを作ろうと意気込んでいる環境下では、失敗した機能の排除(Sunsetting)の方が重要になりうることが分かる。Netflixに友達機能が付いていたのは初めて知ったけど、確かにユーザーとしては直感的にいらない機能である。

ブロックチェーンは魔術ではない

ブロックチェーンを遅いデータベースとして使うのは誤りで、現実社会の課題を解決する魔術ではない。貨幣とデジタルアセットの交換に向いているが、まだ、性能が足らない。性能が上がれば、金融機関が要らなくなるが、それは政治の話となり、技術の話でなくなる。

個人的には、MITのCSとゲーム理論の専門家が結集したAlgorandがオモシロイと思っている。ビザンチン合意プロトコルという複雑な合意形成では、最も理論的には優れている気がする。ただ、保留されている誘因設計が吉と出るか凶とでるかが、Algorandの価値を分けることになる。また進捗があれば、記事にしてみたいが、日本語で書く価値があるのか、日本のブロックチェーンコミュニティの多数派は難しい話が好きではないので、悩ましい。

axion.zone

 読書

『CODE コードから見たコンピュータのからくり』は最高の読書だった。18章で初めてチップに到達し、終わりに近い24章で初めてプログラミング言語に触れる。高級言語として言及されたのがCobol, Basic, Cで、楽な時代に生まれたなと実感した。

CODE マイクロソフト公式解説書

CODE マイクロソフト公式解説書

 

 『Hacking: 美しき策謀 - 脆弱性攻撃の理論と実際』を読んでみた。面白かった。途中からガチでHackingの話になり、読解力が足りなくなった笑。

Hacking: 美しき策謀 第2版 ―脆弱性攻撃の理論と実際

Hacking: 美しき策謀 第2版 ―脆弱性攻撃の理論と実際

 

運動 

3075㍍を泳いだ。37キロ歩行した。

※ 『axionの進捗』を『今週の進捗』に変更した。誰も気にしていないだろうが、念の為。

今年も中二病で行く - 2018年の振り返りと2019年の目標

結論

2018年は肺炎で死にかけるというブラックスワンに見舞われた。リスクが拡大する局面で自分はかなり過ちを犯した。だが、病気のおかげで、自分の人生にとって有意義なことをしようと決意できた。ゲームはだいたい勝ちつつある。でも大勝でないならむしろ負けを選ぼう。群衆が評価する局所的最適解に甘んじず、人から見向きもされない大域的最適解を目指すことが2019年の戦略である。

2018年1-8月の振り返り

この記事で8月末までは振り返った。

taxi-yoshida.hatenablog.com

今年の5月から8月は抗生物質に耐性のあるマイコプラズマ肺炎にかかり死にかけた。もともと家畜に使用していたテトラサイクリン系抗生物質マイコプラズマを退治したのもつかの間、食中毒にかかった。なぜか大量の藻を吐くことになるが、これも丁度手元にあるテトラサイクリン系抗生物質でなんとか生き残った。

Before

病気になる前に実家で撮った写真がこちら。友達のいない僕の誕生日を母が祝ってくれたときのヒトコマである。

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吉田拓史、実家にて、4月15日

After

病気明けの8月25日、免許が失効しそうで命からがら四谷から行った、東陽町の警察関連施設で撮った写真がこれである。頬はコケているし、首は皮だけになっていて、喉仏がキモい。表情に力がなく、死んだ魚の眼をしている。ほぼほぼ死臭がしているし、葬式場に飾ってある写真のような感じだ。最盛期(?)の写真はもっとヤバかったのだが、見ているだけで気分が悪くなるため、消してしまった。

 

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吉田拓史、免許証

この一連の経緯に関してはこのブログに書いた。英語だけど冗談を織り交ぜて書いてみたので読んでも良いかも。こんな目に合わせやがった人は心して待っていてほしい。『キル・ビル』を観て布袋寅泰の楽曲を聞いて、復讐の準備は万端なのだ。

現在

最近は体力が回復してきて、いい感じではある。なんか老けたような気はする。

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吉田拓史、11月、千代田区麹町にて

病気の後に思ったこと 

病気になる前には、複数の投資家からお声がかかり、ちょっとしたチャンスが来ていたのだが、病気のせいでそれらを逃す形になった。でもそれでよかったと思う。最初は「世界を変えよう」と思って始めた axion だが、様々な制約条件の中でつまらない範疇に落ち着いていたように思う。体力面のメルトダウンが、オッズ(勝率)もリターン(報酬)も低い戦いに駆り立てられるのを防いだ。

この病気のおかげで、局所的最適解を避けて、大域的最適解へと向かおうという決意ができた。大域的最適解を目指そうという決意は、世の中の大半の人には受け入れられないから、そういう人の意見はしっかり無視しよう。スタートアップは大勝ちを目指さないと楽しいゲームではないというのが僕の持論である。「●億円儲けた」という話を喜んでする手合がいるが、お前が●億儲けて世界がどれだけ良くなったよ、バーカ。

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global vs local via https://peachturnspro.wordpress.com/

2018年 9 ~ 12月

  • 新しいWebサイトを作り記事を書いて古いサイトの記事の一部を入れた。推薦システムまではいかないまでも簡易なランキングシステムくらいは入れてみたい。バックエンドの開発能力が弱いのが課題。
  • ミクロ経済学とコンピュータ・サイエンスの複合地点が興味深く、年末に学習を深めた。特にアルゴリズムゲーム理論が面白い。で、これらの最高の実験場が、暗号通貨であり、ゲーミングなんだと思う。
  • 水泳とジョギングで体力を向上させた。
  • サプリとプロテイン等で体調をコントロールするようにした。体重は8キロ増加し、体力はかなりある。

2019年の目標

  • ソフトウェア開発能力の拡張。これによりスタートアップゲームのオッズとリターンが飛躍的に拡大し、同時にリスクが減る。
  • ミクロ経済学の継続的な学習
  • 共同創業者を見つけて、会社を正式に設立して、投資を受けて、事業をドライブする

最後に

年末に、地元の埼玉県旧浦和市に戻り、中学時代の旧友と一晩騒いだ。ぼくは自分がどういう経緯を経ているか思い出した。

もともと暴力的ではないが反抗的な中学生だった僕は、家庭の危機から県立高校に行く以外の選択肢がなくなり、危機感のせいでガリ勉し県内一の進学校に入ったが、一部の教師から敵視される日々を送り、映画監督になるために、有名な映像学科のある早稲田大学第一文学部を2年連続で受けたが、2年連続で落ち、同じ大学の政治経済学部に行くことになり、大学にはいかず、「音楽で成功→映画で成功→小説家として成功」の三段成功理論に基づいて、バンド活動に勤しんで、プロを目指すために留年したが、ギターボーカルはさも当たり前のように就活して解散となり、面接で日本企業が合わないことがわかり、新聞社のアルバイト繋がりからインドネシアの零細日系新聞社に就職し、盲腸と結核を発症し医療ミスでほぼ死にかけるも復活し、社内政治に足を引っ張られながら大統領選挙等で画期的な成果を上げるものの、政治の波に飲まれ、起業を志して帰国するも、共同創業者が嫁ストップで離脱して頓挫し、”素晴らしい”環境の会社で、社内外の政治にまみれながらも頭角を表し、ありえないレベルの成果を上げたが、政治に苦杯を舐めることとなり、退社して念願の起業をしたものの想定できない波乱万丈をずっと繰り返し、今に至る。そういう長い物語を思い出した僕だった。

苦労に苦労を重ねているのに、生み出したものの成果は全部、嫌な大人たちに奪われてしまった。今回の挑戦ではそういう収奪は絶対に許さない。あと、自分の中二病は治らないだろうということだ。というか、治す気はないし、意味のないことを真剣にやって評価されたいとも思わない。ただただ楽しいことをしていたい。今年も中二病で行きますが、なにとぞよろしく。

 

トレンドが変わった − axionの進捗#13

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Installation view of Irrational Geometrics 2008 by Pascal Dombis (CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

年末年始は30日と31日を休暇に当て、1日の午後から動き始めた。経済学の学習は一度お休みにして、またコンピュータ・サイエンスの学習に戻ってきた。学習の蓄積を感じるし、量をこなせばもっとリターンが望めそうな気がしている。クローンアプリをたくさん作って手を動かしていきたい。最も効率的な学習を追求していきたい。

いま自分が最も投資すべきはソフトウェアをめぐる開発力と知識である。開発力を手に入れれば、挑戦と失敗のコストが安くなるので、戦いを高頻度、高精度に起こすことができる。ビジネス開発、分析、調査、製作、デジタルマーケティングにおいては、すでに中央値を著しく上回るスキルと知見を僕は持っている。開発力は最後の関門である。プロダクトに好感触が得られたときには、どういう人を雇い、どういうふうに投資すれば良いのか、は掴んでいるつもりだ。

年初は藤井聡太七段と豊島2冠の将棋を観た。豊島が壁金を修正したら、藤井が再度歩を打ち込んで、壁金を強制し、そこから攻めをつないだところが見事だった。終盤は相変わらずの切れ味でミスがなかった。終盤は条件が狭まり、相手の玉を詰ますという目的が明確になる。プログラムが得意とする分野だが、藤井はプログラムとほとんど誤差のない打ち筋を見せるので驚きである。

推薦システムの本を読んだ。製作中のアプリには最初は簡単なアルゴリズムを使おうとは思っているが、中長期的にはユーザーの意図やその成長に資するものを確立できたらうれしい。本書は今はなき Yahoo! の人が執筆しており、Youtube, Netflix, Spotify 等の知見はもっと先を進んでいるだろう。今後も研究をしていきたい。

推薦システム: 統計的機械学習の理論と実践

推薦システム: 統計的機械学習の理論と実践

 

さて、この tech chrunch の記事で触れられているように米国では明確にメディア業界のトレンドが変わった。もちろん僕が会社を辞めた2017年8月時点ですでに分かっていたことではあり、やはりこうなってきたかという感じである。2015年に日本に帰ってきたときには有名な米国のソーシャル依存型パブリッシャーを立ち上げようとしている企業から面接を受けに来いと言われ行ったのだが、自分の独立独歩の精神と実力主義が邪魔をしてしまい、違う道を歩いた。その違う道が蛇の道だったことは、もっと時間が経ったら、まさかの一年越しの退職エントリで公開していきたい。日本のウェブ業界の課題と、伝統的な日本企業の課題がぎっしり詰まっているからだし、舐めた苦杯の味を忘れず、浴びせられた屈辱の匂いを思い出し、響き渡る悲哀の唄の音色をなぞるためでもある。

起業をしてから動画メディアや暗号通貨でオーサーを報酬付けるマガジンプラットフォームを作っていたが、途中でビジネス要件が足りないことに気づいて両方とも止めた。チームを解散し一人になった。もし継続していたら今頃、海の藻屑となっていただろう。麻雀に例えると、当たり牌を数枚うまいこと抱き込んでテンパイを継続している状態だ。だが、プロジェクトの進捗速度と投資家との交渉力を上げるためにも、早く新しくチームを編成しなくてはいけない。

経済のトレンドも転換点を迎えた。アメリカは不景気の入り口に達したし、トランプという不確実性が2年続くのは余りにも厳しい。日本はすでに昨年のマイナス成長が決定的であり、政府は好景気が続いたと主張しているが、真に受ける人はいないだろう。消費税増税が決定的なダメージになるのは避けられないだろう。中国と欧州も同様に楽しくはないはずである。東南アジアとインドに機会があるのではないか。

経済的な不安はビジネスパーソンが既存の情報チャネルを精査するタイミングになると思うので、むしろ機会と捉えている。ビジネスマガジンアプリは不況耐性が強いはずだ。玉石混交のスタートアップや伝統的日本企業から優秀な人材が放出され、彼らを雇用する機会が生まれる。そして有望な投資先を持たぬ日本の金融市場では、金余りは解決されないから、資金調達に困ることもないだろう。お金の出し手が「不況だから…」というエクスキューズを使っても、そこには明確な因果関係を期待できないだろう。

どんどん楽しんでいこう。 

運動

今週は2250㍍泳ぎ、52㌔歩いた。

進行中のタスク

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Web Appの開発
マーケットデザインの学習
Javascript / React / GraphQL / Webpackの学習

今後進める予定のタスク

創業時の株式分配見通し
Stock Optionの設計(税制適格, Vesting)
会社設立 Founding
投資家との交渉 

ここでもう一度工学のアプローチ − axionの進捗#12

 

今週はたくさん本を読んだ。高頻度取引業者のさや取りを防止するため、断続的に封印オークションをすることを提案する Budish らの論文が面白かった。

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

 

『「原因と結果」の経済学』は高校生のときか、学部時代に読んでおきたかった良書だった。日本のテレビや新聞で「スマホを見ていると学力が下がる」などの相関関係があたかも因果関係のように解釈、説明されているので、マスコミ関係者も必読だと思う。

ゲーム理論はアート』は本当に柔らかい筆致で、いろいろな話題を知れてよかった。これも高校生、学部生のときに読んでいれば、いろいろ違ったなと感じさせられた。

学習意欲は尽きず、浦沢直樹の漫画の中で最も好きな『マスター・キートン』のことを思い出す。

人間は一生、学び続けるべきです。 人間には好奇心、知る喜びがある。 肩書きや、出世して大臣になるために、学ぶのではないのです。 では、なぜ学び続けるのでしょう? それが人間の使命だからです

マーケット / メカニズム デザインが好例だが経済学の先端領域は工学と融合している。アプリケーションや暗号通貨を創ることが次の経済学の最もホットな領域だと思う。僕もこのことを念頭に年初から再びCS、特にソフトウェア工学の分野に注力していこうと思う次第だ。どんどん作っていくぞ。

運動

今週は2750㍍泳ぎ、47㌔歩いた。年明けからまた加速したい。

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MITのゲーム理論とCS軍団の暗号通貨 Algorand が面白い - axionの進捗#11

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僕は今週はミクロ経済学の学習から始めた。Algorythmic Game Theory (アルゴリズムゲーム理論)がとても興味深いとわかった。それでその学習にうってつけで、なおかつ前から興味深いと考えていた Algorand の論文を読んでいる。アルゴリズムゲーム理論は経済学とコンピュータ科学が交差する領域であり、この領域の研究者が Algorand にアドバイザーとして参加しているほか、ネットワーク、暗号学、セキュリティ、ミクロ経済学の研究者も名前を連ねている。暗号通貨、ブロックチェーンという分野はそれはまあ総合格闘技で面白いのだ。

既出のAlgorand論文は効率的なビザンチン合意アルゴリズムの導出に注力しているが、重要な部分を残している。それはインセンティブ設計だ。先行例のPoSは報酬設計が起因してプレイヤーに「独占戦略」のインセンティブが生まれている。現状のプロトコル設計はとてもいい感じだが、投票に参加する利得を作らないことには、肝心のビザンチン合意が担保できないので、いい知恵があれいいなあと読んでいて思った。

作者のチューリング賞受賞のMIT教授であるMicali先生は2016年からこのプロジェクトを進めていてスティッキーで素晴らしい。ただ11月の地元ミランでのMicali先生の講演をYou Tubeで見てみたが、ビジネス開発の話になるといきなりふわふわしていた(多分興味が薄いのだろう)。Algorand は夏頃テストネットが動いてそれを基に$60Mほど調達し、プロのビジネスサイドやエンジニアでマネジメントが組織されている。だが、今回の創業では創業者、作者が早々リーダーの座から降りる、というか就かないという、MITがある東海岸のカルチャーが色濃く出ている気がする。Algorandがスタンフォード発のスタートアップならこうはならないだろう。創業者が経営することをベストプラクティスとするからだ。シリコンバレーでは創業初期から経営を雇われCEOに任せるのは典型的な失敗シナリオになりやすいと考えられている。途中からの移行はまあまあある話だが。

 

もし ビジネスサイドが筋悪で Algorand がコケたら、完全にパクって日本のゲーム理論とコンピュータ科学の粋を集めた新通貨開発プロジェクトにしてみたい。冗談だけど、それほど冗談でもない。インセンティブ設計だけが最後の関門になっているが、Algorandのプロトコルは優れていると僕は思っている。Algorand に関して調べて評価した記事は日本語で来週出すからよろしく。

運動

今週は5025㍍泳ぎ、80㌔歩いた。不調な気がしたが数字で見ると頑張ってるやん。現在疲労困憊。銭湯かサウナに行く予定。

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今週は経済学沼にハマったが来週からもっとハマる予定 - axionの進捗#10

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今週は月曜日にFirebaseの勉強会があり「ああこれでやりたいことができるなあ」となったので、じゃあ早速やろうと思ったところから、翌日からミクロ経済学の本をだだだっと読んでしまい、終盤は都市経済学にも足を伸ばしてしまって、プロダクト開発に手が伸びなかった。

自分の考えだとコンピューターサイエンスと経済学の交差する場所にとても美味しい果実があると踏んでいるので、今週の学習は的外れではない。ただスタートアップ運営の戦略としてどう時間を投資するかという観点からすると、疑問は少し残る。

だけど、心はとてもダイナミックでデリケートであり、戦略が正しくともノッてこないのなら無理矢理にそれをすることはない。いまは自分ひとりが資本なので、この”王様”の機嫌を損ねることはできるだけ避けたいのである。

ファインマンの生産性に関する戦略(少し出典が定かではない)には「何になりたいかではなく、何をしたいか」という件があるが、僕はそれに忠実であろうと心がけることにしている。いま自分がしたいことは散らかしたままにしてある経済学の再学習なのである。

基本的には読書は一般書か教科書レベルのものにとどめている。論文までいくと底なし沼にハマってしまうので、目的がカチッとはまったときだけ、有用だという確証が高い論文には手を出そうという感じだ。ファインマンの戦略には「すべてを知ろうとするのをやめる」というのもあるのだ。

先週は土日も休養はそこそこに学習に入れ込んでいたし、また今週は通っているプールがお休みだったこともあり、ずっとお勉強をしていた。日曜日のいま疲れを感じているので、今日は新宿のテルマー湯に行ってしっかり休養を取ろう。

来週は運動量を回復させて、長い冬を高いパフォーマンスを保ったまま越せるように心がけたい。

運動

今週は2400㍍泳ぎ、52㌔歩行した。

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Image by Raffi Asdourian, (CC BY 2.0 / flickr)

クリスマスまでにベータ版を出したい - axionの進捗#10

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今週の頭はオークション理論 / メカニズムデザインを学習した。『Googleの検索広告で学ぶオークションの理論と実践』を書いた。本当に面白い分野である。

週の途中に飲み会でプロダクト開発しながらエンジニア探しに重みを置く必要があると指摘された。GraphQLとWeb標準、Servviceworkerなどの技術スタックの学習に取り組んだ。Webサイトのインターフェイスを改善してCardのサイズをコンパクトにして、自分ではなかなか気に入っている。

旧サイトからのコンテンツの移し替えも、SEO対策をじわっとやりながら進めている。厳選の50記事なので、 axion.zone をぜひ宜しくおねがいします。

ただし、一度広告なりを打たないとかつてサイトがかつて誇っていたトラフィックは取り返せないし、SEOも機能しないのだろう。

皆がハッピーになっているクリスマスくらいにBeta版を出したいところではある。レコメンドエンジンによるインターフェイス上でのコンテンツの出し分けを”表現”してみたいが、コストが高いので考えどころだ。認証機能をつけようかつけまいか悩むが、まあ、いらないけど、つけてみたい的な、その際はFirebaseにホスティングを移したほうがいいかもなので、Firebaseの学習をもっと進めねばならないし、明日は勉強会なので少し危機的。

さて、お酒を飲むと体調と精神に悪影響があるように感じられるので、12月30日まで禁酒しよう。コーヒーも控えめにしよう。

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運動

4000メートル泳ぎ、74キロ歩いた。ランニングは寒いので、3月くらいまでお休みの予定。週に30キロ走らないと違和感がエグい。水泳でなんとか補填しよう。

ああ、そうだ、来週は10〜14日通っているプールが休みなのだった。ジムに行かないと。

読書メモ『競争優位で勝つ統計学 - わずかな差を大きな勝利に変える方法』

競争優位で勝つ統計学 ---わずかな差を大きな勝利に変える方法

競争優位で勝つ統計学 ---わずかな差を大きな勝利に変える方法

 

少し古い本。だが、人間が直感感情によって意思決定を下している分野に、統計学、数学を応用することで、大きな成果を上げられることを、平易な言葉遣いで説明している。 以下は僕なりの要約である。

  • 物事には偏差がある
  • どんなに厳しく感じられるときでも、最適戦略を変更してはいけない
  • 最適戦略の維持を不可能にする、手元資金の枯渇は絶対に避ける
  • 理論上の正しさは実践では必ずしも100%の正しさを表現できない。現実世界はときに理論を完膚なきまでに破壊する
  • バイアスに惑わされてはいけない
  • 「個人の成功はチームの成功」となり、その逆でもあるインセンティブ設計をする

僕は不確実性の高いゲームに強いからリスクをとってゲームをそっちに誘導しよう - axionの進捗#9

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僕は出席できなかったHTML5カンファレンスのビデオから一週間を始めた。それからChrome Dev Summit 2018のビデオも観てみた。Webのトレンドの体内感覚が出来てきた気がする。

やはり僕はWeb Packagingが気になる。所定のサーバーにとらわれないコンテンツのサーブは、さまざまな問題を解決してくれそうである。これは突き詰めていくと、「あなたはどこまでGoogleを信頼できるだろうか」、そういう話である。

キャシュ戦略についても理解が深まった。適切なキャッシュ戦略は、速さにすべてを捧げている風の専任のエンジニアが必要なものだ、とやっと僕は理解した。「現時点で激しく投資する領域ではないが、遅くしては絶対にまずい」という結論を得た。ユーザーやコンテンツが豊富になってこそ、投資しがいのある課題である。

Webのプロトコルレイヤーが気になり、掘り進んでみた。axionのウェブサイトで利用される技術スタックは、最新状況を織り込んだものであり、急ぐ必要はない学習だったが、興味が湧いたときに一気に学習する方が効率がいい。それに結局は深いところまで包括的に理解しているからこそ、施策の正当性を吟味できるわけだ。ブログ等で小手先のテクニックを学習し投入して瞬間風速を高めるのは、自分のやり方にそぐわない。長期視点に基づいた投資が好きなのだ。

この際、ブラウザの仕組みにも踏み込んでおこうと思っている。公開情報をたどるだけでも「奥が深いでござる」という感じだ。

マーケットデザイン

週の途中から自分の最重要領域であるマーケットデザインの学習になだれ込んだ。

僕は経済学を問題解決の手段として重視してきた。インドネシアで新聞記者をしていたときは、開発経済学、都市経済学の格好の学習材料が転がっていた。教科書の内容と全く異なるカオティックな現実は最高に面白かった(だから僕は日本に退屈している。僕は不確実性の高いゲームに強いのだから、もっとリスクをとってゲームをそっち側に誘導しよう。そして平均的な日本人はそういうのにめっぽう弱い。素晴らしい状況である)。

当時は給与がべらぼうに低かったこともあり、副業で日本とシンガポールの金融機関、研究機関のためにレポートを書いていた。マクロ / ミクロ経済学を学びながら即座にその知識を使うためとても鍛えられた。

日本でデジタルマーケティングのアナリストとして働いていたときには(ビジネス開発も何もかもやってたが)、主にミクロ経済学といわゆる"マーケットデザイン"を大事な分析の手段としていた。マーケットデザインという領域はそれはもう超面白い。デジタル広告オークション、C2Cマーケットプレイスのようにテックカンパニーのビジネスとがんがん重なり合う。理論では数学をバリバリ使うが、実践だとなんというか「百鬼夜行の世界の中に居心地のいいショッピングモールを作るにはどうすればいいんだ!?」 的な愉しさがある(僕はこれが得意だ)。

マーケットデザインへの熱が再燃した。来週以降もがっちり学んでいこうと思う。

シグナリング

チームビルディングについても考えてみたが、情報の非対称性を伴った市場で、プレイヤーがどう振る舞えばいいかという問につながった。僕たちが"市場"と呼ぶもののほとんどが、情報の非対称性を伴った市場、なのだけれども、そこでは常に情報が不足しているので、情報を持つ側にとってシグナリングが効果的になる。

現実社会では、人々はしばしばシグナリングに誤った情報を足す戦略をとる。そのせいでシグナリングにそぐわない能力の低さが露呈されることがあるし、大半の日本企業はスキル算定能力が悲劇的でもある。前職では"コンサルタント"とか"ストラテジスト"とかそういう類の人との交流があったが、こういう人たちは多かれ少なかれフェイクシグナリングの達人だったり、すべての結果を自分の実績に結びつけるテクニシャンだったりする。

"起業家"のシグナリングもまた途轍もないものであるし、一定数、コンサルタントと同じ匂いがする人たちがたくさんいる。この中で適切なひとに適切なメッセージを伝えるにはどうすればいいのだろうか。あるいは、ほとんど自分に関する情報を持たない投資家と話すときにどうシグナリングすればいいのだろうか。

僕の戦略はシンプルで、鍛錬し続けて、品質の高いシグナリングをすることだ。市場に投下された正しい情報は、天然の評判システムを経て、その"正しさ"の精度が判定されるはずだ。その精度を保つには、ある程度の能力基盤がないと難しい。賢い人は巧妙なシグナリングを分解してその大元を推測できる。賢い人と出会えばいい。そうでない人に気づかれないことは好ましい。

武器と防具は揃いつつあるので、ダンジョンに行って「僕はここにいるよ」とアピールしに行こう。"スタートアップ市場"は情報があんまり浸透しづらいので忍耐強さが重要になるだろう

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運動

3075m泳ぎ、53㌔歩行し、31.3㌔ジョギングした。

Image by Charles Conway (CC BY-SA 2.0) / via flickr