MITのゲーム理論とCS軍団の暗号通貨 Algorand が面白い - axionの進捗#11
僕は今週はミクロ経済学の学習から始めた。Algorythmic Game Theory (アルゴリズム的ゲーム理論)がとても興味深いとわかった。それでその学習にうってつけで、なおかつ前から興味深いと考えていた Algorand の論文を読んでいる。アルゴリズム的ゲーム理論は経済学とコンピュータ科学が交差する領域であり、この領域の研究者が Algorand にアドバイザーとして参加しているほか、ネットワーク、暗号学、セキュリティ、ミクロ経済学の研究者も名前を連ねている。暗号通貨、ブロックチェーンという分野はそれはまあ総合格闘技で面白いのだ。
既出のAlgorand論文は効率的なビザンチン合意アルゴリズムの導出に注力しているが、重要な部分を残している。それはインセンティブ設計だ。先行例のPoSは報酬設計が起因してプレイヤーに「独占戦略」のインセンティブが生まれている。現状のプロトコル設計はとてもいい感じだが、投票に参加する利得を作らないことには、肝心のビザンチン合意が担保できないので、いい知恵があれいいなあと読んでいて思った。
作者のチューリング賞受賞のMIT教授であるMicali先生は2016年からこのプロジェクトを進めていてスティッキーで素晴らしい。ただ11月の地元ミランでのMicali先生の講演をYou Tubeで見てみたが、ビジネス開発の話になるといきなりふわふわしていた(多分興味が薄いのだろう)。Algorand は夏頃テストネットが動いてそれを基に$60Mほど調達し、プロのビジネスサイドやエンジニアでマネジメントが組織されている。だが、今回の創業では創業者、作者が早々リーダーの座から降りる、というか就かないという、MITがある東海岸のカルチャーが色濃く出ている気がする。Algorandがスタンフォード発のスタートアップならこうはならないだろう。創業者が経営することをベストプラクティスとするからだ。シリコンバレーでは創業初期から経営を雇われCEOに任せるのは典型的な失敗シナリオになりやすいと考えられている。途中からの移行はまあまあある話だが。
もし ビジネスサイドが筋悪で Algorand がコケたら、完全にパクって日本のゲーム理論とコンピュータ科学の粋を集めた新通貨開発プロジェクトにしてみたい。冗談だけど、それほど冗談でもない。インセンティブ設計だけが最後の関門になっているが、Algorandのプロトコルは優れていると僕は思っている。Algorand に関して調べて評価した記事は日本語で来週出すからよろしく。
運動
今週は5025㍍泳ぎ、80㌔歩いた。不調な気がしたが数字で見ると頑張ってるやん。現在疲労困憊。銭湯かサウナに行く予定。
進行中のタスク
- ネットワーキング / Founding Membersを探す
- Web Appの開発
- マーケットデザインの学習
- Javascript / React / GraphQL / Webpackの学習
今後進める予定のタスク
- 創業時の株式分配見通し
- Stock Optionの設計(税制適格, Vesting)
- 会社設立 Founding
- 投資家との交渉