デジタルエコノミー研究所

”経済紙のNetflix”を作っている起業家の日記

精神と時とファイナンスの部屋 今週の進捗#19

今週はファイナンスの学習をしました。資本政策を最も好ましい形で進めたいからです。学習をすればするほど自分が何も知らないまま物事を進めようとしていたことに気づきました。基本的には Yコンビネーターの教えるところを日本の状況に適合しスタートアップを前に進めていきたいと考えています。

Yコンはシード期のスタートアップにコンバーティブル・エクイティを推奨しており日本にも同様の枠組みが存在します。コンバーティブル・エクイティには好ましい調達額の上限が存在しており1億円以上の調達の場合は通常の株での調達を検討するほうが好ましいという説明があります。これは次の調達がどのくらいのサイズになるかによって決めようと思います。

最初に参加した人にどのくらいの生株を渡すべきかからストックオプション付与の仕方、法的手続きなどワイコンビネーターには「標準化」されたスタートアップの作り方が用意されています。もちろん 日本とアメリカでは法規や税制、ビジネス慣行も異なるのでそのまま適用するわけにはいきませんが、 日本の状況を詳しく学習することによりかなり上手くやれるのではないかと想定しています。同時にこれらを日本化する 試みを しているエコシステムの構成員の方々にとても感謝しています。

企業価値評価については有名なマッキンゼーの本を読んでいますが、スタートアップの評価はよりアーティスティックに決められていると思います。近年は後ろの方のラウンドでプライベートエクイティなどが投資をするケースがあります。その時は 一応厳密な企業価値評価をしているとは考えられます。しかしこの評価の枠組みはあまりサイエンス とは言い難くむしろテクニックと呼ぶべきものでしょう。

企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践

企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践

ストックオプションの税制はとてもややこしいと感じています。国税庁のコメントが出てはいるもののあまり明快でない 部分も存在しているので、この分野では 行政立法の方々に努力していただいて明快かつ簡潔なものにしていただけたら幸いです。ストックオプションの発行量を どの程度にすればいいのかには様々な意見が存在します。株を希釈化させるので既存株主あるいは未来の株主からは抑制的にして欲しいとの要望があります。10%というのがしばしば日本の投資家が引きたがる線ではありますが、 メルカリの先行例では20%まで発行 しています。 つまり事業が成長してストックオプションでさらに優秀な人材を集めることでその成長が加速するならば、既存投資家も ある程度は許容してくれるのではないかと想像しています。Google の新規株式上場時のレターでは会社はまあ株主のものではあるが、社員のものでもあるというニュアンスがあります。先に触れた企業価値評価の本でも、社員に対する報酬の高さはその企業への Return of investment Capital の高さ と相関することに触れられています。ワークルールズという Google の職場環境に関する本では報酬は不公平に設定するべきだと指摘されています。つまりストックオプションなどで担保できるインセンティブは年俸とは別に不公平に付与するべきではないのかもしれません。例えば、最初期の参画者にはとったリスクに応じて大きなパイを渡すのは合理的でしょう。同時に会社の未来に対して大きな可能性を与えた、あるいは与えうる人にも、同様に大きなパイを渡すことは合理的でしょう。

今週学習した内容はこのブログの後ろの三つのポストに書いてあるので興味があったら読んでみてください。来週も腰を据えてファイナンスの勉強を継続します特にタームシートについて知識を深めたいと思っています。実際の資金調達時にはもちろん専門家のレビューを受けて物事を進める用意がありますがそれでも自分で物事が理解できるのならおそらく条件や進行速度が著しく改善すると予測します。12月は経済学を学んで1月はソフトウェア開発を学んで2月は金融を学んでいます。

ということで来週もよろしくお願いします。私と話したい人は連絡してきてね。

運動

4000㍍泳いだ。60キロ歩いた。花粉症に気をつけよう🙂 f:id:taxi-yoshida:20190223144416j:plain