キャズムを越えるためにもっとハイプしよう
Hype energy drink / via Wikkimedia commons
Recodeのこの記事は、偽ニュースならぬ偽テックがあると主張している。謎に満ちたVR/ARスタートアップのMagic Leapは14億ドルを調達しているが、The Informationによると「オーバーマーケティング」だと言う話であり、どうやらニュージランドの特殊映像企業がデモを作成していて、本当はプロダクト製作は思わしくないといううわさがある。
記事は過剰なレベルのハイプに注意を促していて、ごもっともだ。ただ日本はもっとハイプした方がいいと思う。
米国のハイプ・サイクル(Hype Cycle)は以下のような形(だと言われている)。
Hype cycle(via Gartner/Wikkimediacommons)
何らかのプロダクト/領域に対し期待が注がれ、やがてそれが山と谷を超えて、普通のレベルに達する。ハイプがあるから皆がそこに殺到し、いわゆる「キャズム」を越えることができる。
日本の場合、レイトマジョリティが本当に巨大な多数派を形成しており、ハイプされないので、なかなかキャズムを越えない。日本でされるハイプの一部には、例のソフトバンクのARM買収での「垂直統合型」報道とかみたいに妙だなーと思うものが多い。
日本の社会から、以下の二つをどうにかして緩和したい。
- リスク回避傾向
- 他人の失敗を全員であげつらう傾向
で、ハイプはある程度、この傾向に挑戦できると思う。ハイプしたり高い目標を掲げたりすることで、ゆったりとしたレイトマジョリティを動かせると思う。「お前ハイプに乗っかっただろ」とパブリッシャーも責められるけど、そもそもこの世の中に正しいと証明されている情報は(たぶん)ない。
あまりに権威に従うようにプログラムされすぎているから、誤報とか偏向報道とかいう言葉を肴に一杯やれるわけだ。
情報は流動性とダイナミズムそのものだ。ハイプにはいい部分もある。